「姫路城下町絵図」=1778(安永7)年~1810(文化7)年
「姫路城下町絵図」=1778(安永7)年~1810(文化7)年

■城郭史が専門 竹内信学芸員

 姫路市本町68番地-。この番地がどこにあたるのか、ぱっと思い浮かぶ方はいますか。実は世界文化遺産・国宝姫路城と周辺一帯の約107ヘクタールを指し、市街地にある同一地番としては、国内で皇居に次ぐ2番目の広さとされています。

 江戸時代の絵図を見てみましょう。内堀に守られた内曲輪(くるわ)には天守や藩主の屋敷をはじめとした姫路城の中心的施設が立ち並び、その外側には中堀に囲まれた中曲輪。地図では内側に描かれた薄ピンクの範囲で、城下の武家屋敷が連なっています。現在は中堀の南にあった地域とともに「本町68番地」となり、一角には当館のほか、県立姫路東高等学校や市立白鷺(はくろ)小・中学校、姫路医療センターなどが含まれています。