取材に応じる谷川俊太郎さん(2014年12月)
取材に応じる谷川俊太郎さん(2014年12月)

 10年前の記憶が鮮やかによみがえる。その人のつぶらな瞳に宿る光は鋭く、言葉は飾らず軽やか。執着という言葉の対極にいる、まるで仙人のような空気をたたえていた。11月に亡くなった詩人谷川俊太郎さんを取材したときのことだ。