元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖
元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖

キャバクラやホストクラブ、大人のお店などで働いていると、指名客から差し入れをいただく機会が増えます。差し入れ好きなお客さんは来店時に必ず何かをを持参し、熱量が高い人はプレゼントを定期的にお店へ送るなどして、キャストに存在感をアピールしがちです。

もらってうれしい物もありますが、人格を疑ってしまうような「ありえない差し入れ」を平然と渡してくる人も全体の3割くらいいます。(意外と多いですね)

お客さんから渡される困ったプレゼントをランキング形式でまとめました。

■ドン引き1位・手作りのお弁当、開封済みのお菓子

手作りのお弁当やお菓子、おかずなどをもらったことのあるナイトワーカーは少なくありません。キャバクラでもホストクラブでも、そしてオトナのお店でも、指名キャストのことが好きすぎると、手作り攻撃に走る痛客は多いものです。

「自分で料理をしないから、お母さんのご飯が食べたいと何気なくボヤいたんですよ。そしたら次の来店時から手作りのおかずとか、おにぎりを持ってくるようになっちゃって…。卓で食べろ!と言われるもんだから、マジでキモかった」

こう語るのは飲み屋で働くKさん。ご飯を持参してきた男性は俗に言うガチ恋(本気でキャストと交際を望んでいるお客さん)で、「お母さんの代わりにはなれないけど、僕が寂しさを埋めてあげたい」という痛々しい発言をしてたとか。

ほかにも手作りご飯だけではなく、開封済みのお菓子もセットで渡してきたそう。食べかけのものなど、友人間でも絶対にやりませんよね。あまりの常識のなさに、筆者も唖然としました。

■同率1位・婚姻届

夜のお店は割り切って遊ぶべきですが、距離感が近いためかお客さんは勘違いをしがちです。こちらが“仕掛けた”つもりはなくとも、接客時の言動を全て本気だと捉えてガチ恋→交際と結婚を申し込む困ったお客さんが歓楽街には絶えません。

接客中、付き合ってもいないのに婚姻届を渡されて告白を受けるケースも、夜の店では珍しい光景ではないのです。

「月一ペースくらいで来ていたお客さんですが、だんだんと来店頻度が上がり、ある日突然婚姻届を渡されました。ドン引きどころか頭が真っ白に……」。ガチ恋の予兆はあれど、キャストのNさんは急すぎる求婚に気絶しそうになったとか。ちなみに、今まで色恋営業は一切かけていないとのこと。

丁重にお断りしたら物凄くあっさり引き下がったそうですが、逆にその潔さも怖く感じますね。この手のお客さんは、他の女の子にも同じことをしていそうな予感がします。

■3位・全く好みじゃない服と偽物のハイブランド

キャバクラやホストクラブに多いのが、洋服やバッグ、アクセサリーの差し入れです。どれもキャストが喜びそうなイメージが強いものの、好みに合わなければ「いらねっ」と思われても仕方がありません(苦笑)またハイブランドの偽物を渡すお客さんも多く、もらってから純正品ではないことに気づく人も大勢います。

「某有名ハイブラのバッグをもらって喜んでいたら、パチモンだったことに気づいちゃった。SNSで流れてきた“純正品の見分け方”みたいなポストを見たら、えぇ~ってガッカリしましたよ」

そう語るMさんは最近太客をゲットし、高額シャンパンにブランド品の差し入れと至れり尽くせり。まるで夢のような時間を過ごしていたのにも関わらず、差し入れされた物が見事に偽物だったため、人間不信に陥りました。

■4位・花や植物

誕生日の日にお花を渡すのは定番中の定番ですから、差し入れとしてはアリでしょう。しかし、何もない日に大きな花束や持ち帰りに大変な植物(!)を渡すのは、高確率でキャストに苦い顔をされます。

“オトナのお店”で働くLさんは差し入れ好きのお客さんにあたり、しょっちゅうプレゼントをもらっていました。内容が毎回独特すぎるので困り果てていたところ、ついに花の種や鉢植えといった“あげる目的”が不明なモノばかり渡されるように……(笑)

「今日の朝刊とか投資信託のパンフレットとか、毎回変なものをくれるんですけど、段々エスカレートしてきて。花の種と鉢植えをもらった時は、もう爆笑しちゃいました。私、移動型のお店だから大きい荷物をもらうと普通に迷惑なんです。しかも、花とか育てないし!」

話によるとそのお客さんは少々変わっており、たまに話が通じない時があるとか……。センスも思想も全てが個性的なのでしょうが、もっと相手の気持ちを考えてプレゼントをしてほしいものですね。

■5位・果物5キロ

「地方在住のお客さんから、お店にリンゴ5キロ送られてきました。最初はみんなで分ければいいかと思って開封したら、メッチャ傷んでてドン引き。半分以上捨てる羽目になり、これなら送ってこないでほしかった」

キャバクラ勤務のSさんの元へ送られてきたリンゴ、なかなか量もヘビーですが(笑)中身もだいたい傷んでいたという最悪のオチです。

「食べ物を捨てるのは心苦しいし、何よりお店のゴミが増えたので申し訳なかった。あとお客さんからもらった食べ物を口にしたくないコが多いので、貰い手もあまり見つからず……。ぶっちゃけると、結果的に迷惑だったなって記憶しかないです(笑)」

生ものに関しては量や内容、そして鮮度に細心の注意をはらうべき。傷んでいたり、賞味期限がギリギリだと好意が空回りするほか、相手に迷惑をかけるので気を付けねばなりません。正直なところ、なるべく避けた方がいいアイテムではありますが、それでも差し入れをしたいお客さんは一定数いるみたいですね。

差し入れにも色々ありますが、日用品、生もの、消えもの(婚姻届は何に該当するか分かりませんが)でも、方向性が間違っていれば“迷惑”にしかなりません。ゴミ箱行きか、内容によって相手を怖がらせてしまえば、プレゼントを渡した本人が損をするでしょう。

◆たかなし亜妖(たかなし・あや)元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。