元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖
元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖

ホストクラブは風営法改正によりランキングや役職の廃止、広告の文言の規制など新たなルールが追加されました。今までのやり方に魅力を覚えていた女性は締め付けの強化に対して「面白くなくなった」とボヤき、来店ペースがダウンしているようです。

夜遊びを中断・あるいは卒業する人々が増える一方で、相変わらず沼にハマり続ける“ホス狂い”も一定数います。風当たりが強くなり、かつての自由が奪われようとも「中毒状態」から抜け出すのは難しいからですね。

あくまでホストクラブは娯楽の1つなので、人生を棒に振ってまで身を捧げれば、あとあと後悔する可能性が高いものの…担当に対する「好き」という気持ちやそれ以外の感情が強いと、吸い寄せられるように歓楽街へと足を運び続けてしまうのです。そんなホストにハマって抜け出せない女性たちのリアルな声を聞いてきました。

■承認欲求が抑えきれない……「満たされる場は、ここだけ」

ホストにどっぷりハマって約3年が経つSさん(仮名・25歳)は、心の隙間を埋めるべく夜遊びを続けているそう。(『』内、Sさん談)

『承認欲求が強くて、ホストに通う前は“いいね”ほしさに自撮りをSNSにあげまくってました(笑)あまり親に構ってもらえずに育ったから、こうなっちゃったのかな。今も注目されると気持ちよくて、キャパオーバーしてまでもお金を遣いたくなっちゃう。担当からの“ありがとう”なんて全部営業だってわかってるけど、一瞬でも良い気分を味わいたいのでホス狂いはやめられそうにありません』

Sさんは夜遊び以外に一切楽しみがないと言いました。自分の欲を満たせる場がホストクラブだけとなれば、依存するのも致し方がないのかもしれません。

■恋愛感情ではなく、執着心?

続いてはホス狂い歴6年のM子さん(仮名・31歳)。同じ人を指名し続けて4年経ちますが、担当との結婚は絶対に無理だと頭では理解しているそうです。けれども、現在の状態を手放す勇気が持てないまま、ズルズルとお金を遣い続けています。(『』内、M子さん談)

『最初は好き!結婚して!と思ってたけど、のらりくらりとかわされるうちにピュアな気持ちのままではいられなくなりました。もう今となっては好きかどうかも分からないけど、でも離れられないからお店に行ってしまいます。結局私、寂しいんですよね。担当のために何年も捧げてきたし、プライベートでも他に娯楽がないから』

どんなに相手を好きになってもホストと姫(お客さん)は対等な立場ではありません。正式にお付き合いして「もうお店に来なくていいよ」と言われない限り、店に足を運ぶ時点でお客さんである事実は変わらないからです。

恋愛感情を持つのに対等な関係を築けないと、人は確実に狂います。その状態で大金を使い続けると自分の心が見えなくなり、結果的に好きなのか?それともただの執着なのかさえわからなくなるとか。

「傍にいればいるほど虚しさが増すのにも関わらず、お店に通ってしまう。負のスパイラルを一向に断ち切れません」と、彼女は悲し気な表情で答えるのでした。

ホス狂い女性のほとんどが現実を分かっているはずですが、「寂しさ」に打ち勝てないからこそ、狂ってしまうのでしょう。正直なところ、夜遊び以外の娯楽があったり、他で欲が十分に満たされていれば正気を失うことは極めて稀だからです。

◆たかなし亜妖(たかなし・あや)元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。

◆たかなし亜妖(たかなし・あや)元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。