キャバクラやホストクラブなどの飲み屋はもちろん、風俗やセクシー女優にもシングルマザー(通称:シンママ)がたくさんいます。子育てを理由に夜職を始める人や、元から夜職でシンママになったのをきっかけに復帰など、デビュー&出戻りの理由は多岐にわたり、お客さんやファンに公言するケースも今は珍しくありません。
そんなシンママナイトワーカーについて、夜職から縁が遠い人だとどんな生活を送るか気になるはず。「子どもは仕事を知っているの?」など様々な疑問点が浮かぶと思うので、現役シンママナイトワーカーに話を聞きました。
■毎日多忙!昼職×夜職で頑張るパワフルなシンママ
6歳の子どもを育てるシンママキャストのA子さん(26歳)は、実家に住みながら昼夜働くWワーカー。シンママになった理由は若くして妊娠し、急にパートナーが音信不通になったことがきっかけ。悩み抜いて出産を決意し、それ以来今の生活を続けています。(以下「」内、A子さん談)
「ずっとフリーターでフラフラした毎日を送り、当時は適当にスナックでバイトしてたんですよ。その時付き合ってた彼氏との間に子どもができたら、見事に逃げられて(笑)人としてちゃんとしようって思ったのは、子どもを産んでからかなぁ。親にもめちゃくちゃ迷惑かけたし、娘に不幸な思いはさせたくないですからね」
出産を機に心を入れ替え、昼職を始めながら在籍していたスナックでの勤務を継続。とても多忙な毎日ですが、昼も働くのは将来のため。娘さんが年頃になる前には、夜職を卒業したいと言います。
「親になってから仕事に対する意識が上がったんですよ。スナックでも指名は取れてるし、昼の方も順調です。今のうちにいっぱいお金を貯めておきたいです」
守るべき存在がいると、考えや人の在り方が変わるのでしょう。まだ26歳という若さですがA子さんからはどっしりと構えた、強い意志を感じました。
■いつか再婚したい!娘に仕事をカミングアウト済みのシンママ
「娘には仕事をカミングアウトしてますよ。打ち明ける時はすごく勇気が必要でしたけどね」と語っているのは、現在クラブのホステスとして働くB子さん(43)。しばらく結婚生活が続いていたものの、元・指名客だった旦那さんとうまくいかずに離婚。夜職に復帰し、娘さんが小学校高学年になるまで職業を隠していました。
しかし、「ママって、周りの友達の家のお母さんより派手だよね」など娘さんの発言にしょっちゅう“ギクリ”とさせられ(笑)、心が苦しくなった結果、腹を決めてカミングアウト。今ではお互いに、何もかもを包み隠さずに話せる関係だと言います。(以下「」内、B子さん談)
「娘も17歳になりましたが、“水商売に憧れはない”って言われます。よく親子二代で夜のお仕事を始める話も聞きますが、ウチはそんなことなさそう。将来就きたい仕事も明確ですし、我ながらできた娘だと尊敬してます(笑)」
「娘を大学に入学させたら、ひと段落かな」と呟くB子さん。どうやら最近は知り合いのシンママが落ち着いた頃に再婚したそうで、二度目の結婚に憧れを抱いているご様子!良い人がいるのか?いないのか?言及はできなかったものの、何やら彼女には楽しいことがありそうな感じでした(笑)
■そろそろ卒業?子どもの成長と仕事に悩むシンママ
お金を稼ぐため、そして時間の融通を利かせるために夜職を選ぶシンママも多いですが、彼女たちの頭を悩せるのは「仕事をいつまで続けるか」という問題。夜職は身内に職業を明かしづらく、世間の目も気になれば、どこかで卒業せねばなりません。
「子どもが大きくなってきて、来年小学生になるんです。まだまだお金は必要だけど、昼職にシフトチェンジするか……すごく悩みますね」と語るのは6歳の息子を育てるC子さん(31歳)。風俗店勤務を続けながらたまに企画作品のセクシー女優として活動し、女手一つで頑張るたくましいシンママです。子どもと過ごす時間を増やせるようにお店は早い時間帯に勤務し、撮影も短時間で済む現場のみ参加。効率よくお金を稼げるよう、工夫を凝らしています。
今のところ生活には困っていないものの、先のことを考えると「不安がいっぱい」なんだとか。(以下「」内、C子さん談)
「昼職から遠ざかってかなり経つので、今さら戻れるのか?と思うんですよね。でも子どもが大きくなって今の仕事が隠し切れなくなったら困りますし、ましてや男の子ですから……。息子が小学校中学年に上がるまでには、どうにかしたいです」
風俗、セクシー女優という世間的な理解を得づらい商売に就くと、卒業時期を激しく悩むもの。ましてや収入が良いと卒業に躊躇しがちなため、C子さんにとってベストな答えが見つかることを祈るばかりです。
子どもを1人育てるには、たくさんのお金が必要です。とは言え、お金だけがあってもそれだけではどうにもなりませんから、ナイトワーカーなシンママは家事に、育児に、仕事に多忙!世間の目と戦い、個人事業主として働きお母さんの顔を持つ。マルチにこなす器用さには尊敬の念を抱きます。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。