出産時に「運動野にダメージがあり、麻痺や障害が出る可能性があります」と宣告された女の子が、小学1年生に成長すると運動会でリレーの選手に選ばれました。思いがけない知らせに「信じられない」と喜ぶ母親がThreadsに投稿すると、多くの共感の声が寄せられました。投稿したのは、2児の母でフォトグラファーとして活動するミコフォトさん(@mi.ko.photo)。出産から現在に至るまでの娘さんへの想いを聞きました。
■高熱の中での出産
投稿主さんが「リレーの選手に選ばれた」と娘さんから聞いた時、「リレーの選手!?嘘でしょ?信じられない!」とまず驚いたといいます。投稿主さん自身も体育の成績は特別良いものではなく、現在高校2年生の息子さんも体育に関しては平均的なタイプ。自分の周囲にとって「”運動で活躍する子”は別世界にいる」と思って生きてきたと話します。
そんな中での娘さんのリレー選手への選出に、思わず生まれた時に「運動面で困難があるかも」と医師から告げられた記憶がよみがえり、「まさかそんな子が“選ばれしもの”になるなんて…驚きと感動でいっぱいでした」と振り返ります。
娘さんの出産時、投稿主さん自身が38℃を超える原因不明の高熱を出し、朦朧とする中でお産をすることになったのだそう。40代へ突入しての高齢出産だったこともあり、里帰りせずに夫・息子・義両親を含む5人分の食事を作る日々で、「頑張りすぎたせいかもしれない。自分のストレスが娘に影響していたら本当に本当に申し訳ない…」と、自責の念に駆られたといいます。
第二子を希望してから6年にも及ぶ不妊治療の末、300万円以上の自己負担をしてようやく授かった娘さんだったこともあり、出産後に医師から告げられた言葉はとても重く感じられたといいます。
「授かるまでも本当に本当に苦労したのに、ここからさらに大変になるなんて。神様酷すぎるよ…と思いました」
不安を抱えながらも、夫の「なるようにしかならないんだから、無駄に落ち込むな」「俺は悪運が強いからきっと大丈夫」という根拠のない、でもある意味で前向きな励ましが、心の支えになったそうです。
■“本番に強い子”へと成長
出産後は3カ月ごとに発達検査を受ける日々が続きましたが、1歳4カ月で「何の問題もないので、大丈夫です」と言われ、小児科を卒業することができたそう。
「その頃から、『もう心配しなくていいんじゃないの?普通に過ごして行けるんじゃないの?』と思えるようになりました」
その後の娘さんは、どちらかといえば「運動好き」な様子だったといいます。幼稚園では年中から体操教室に入り、小1となった現在も続けているのだとか。また、水泳の授業がきっかけでスイミングスクールにも通うようになったそう。
そういった経緯がありながら、いざ迎えた小学校の運動会当日。「本人は『緊張する~』と言っていましたが、『楽しんでおいで!』と送り出しました」と、その日の様子を話します。
結果は、かけっこで2位。リレーでは第一走者として6人中4位でバトンをつなぎ、チームでは3位の結果に。そして娘さんが属していた紅組は総合優勝を果たす結果となりました。
「とにかく、転ばないで無事終わってくれることだけを祈ってましたが、何とか代表としての役目を果たし、また紅組が100点以上差を付けて優勝したので、いい思い出になって本当に良かったなと思ってます」
娘さんは、これまでにも「本番への強さ」を見せることがあったのだとか。
「指や頭へのいい刺激になるだろうと思い、年長の夏からピアノ教室に通っています。そこで印象的だったのが、演奏会でのできごとでした。課題曲の練習ではなかなか通して弾けず心配していたものの、本番でなんとまさかのノーミス。感動よりもとにかくビックリして、娘がこんなに本番に強いタイプだと思っていませんでした」
■予想を超える反響
そんな娘さんの成長を綴った今回の投稿には、予想を超える反響がありました。「親として同じ境遇の方や、子どもとして経験された方のコメントが特に印象的でした」としながら、中でも「同じように診断された娘さんが成長し、客室乗務員となり、二児の母になった」というエピソードには強く心を動かされたといいます。
「娘の未来に、素敵な希望をもらった気がしました」
投稿主さんもこれまでの経験から、同じような状況に置かれている人たちに届けたい思いがあると語ります。
「不妊治療にしても、出産にしても、それ以外のことでも、辛い結果を受け止めなくてはいけない人がたくさんいると思います。前に進もうとする人たちにこの話が届いて、小さな希望になって、一日でも多く笑える日に繋がってくれたら、嬉しいです。境遇は違っても、命も健康も有限で尊いもの。それを“有難い”と感じられるきっかけになったらいいなと思います」
▽ミコフォトさんのInstagram:@mi.ko.photo
























