ハチワレ猫の「まめ」ちゃん(6歳・女の子)は、Xユーザー・まめさん(@jigzs8bsVVByZXY)の大切な家族です。出会いは6年前、偶然のようで運命的な出来事から始まりました。
■道路脇で見つけた小さな命 「この子を助けたい」一心で病院へ
2019年6月20日。飼い主さんは妹とのランチに出かける途中、ふだん通らない道の脇で、うずくまる小さな子猫を見つけました。その子が、当時生後1カ月半~2カ月だったまめちゃんだったのです。
「同乗していた娘が急いで駆け寄って、まめを連れてきてくれました。少し噛まれましたが、膝の上に乗せるとおとなしく私たちの顔を見上げていましたね。後ろ足が動かず、お尻から出血もあり、すぐに動物病院へ向かいました。診断は『おそらく車に跳ねられた』とのこと。第7腰椎と仙骨が潰れるように骨折しているため、下半身麻痺になってしまったんです」
幸い内臓に損傷はなく、お尻からの出血も落ち着きました。困ったのは、威嚇が激しく警戒心が強かったこと。それでも飼い主さんは面会のたびに胸が熱くなったそうです。
「面会に行くと、他の飼い主さんたちが『かわいい』と声をかけてくださって。その瞬間、『でしょう!うちの子かわいいんです!』と鼻高々な気持ちになりました。麻痺のある子を育てられるか不安もありましたが、あの日、抱き上げたときに、心のどこかで『うちの子に』と決めていたのかもしれません」
1週間の入院を経て、まめちゃんは新しい家族のもとへと迎え入れられました。
■下半身麻痺と向き合った日々 “まめ中心”の暮らしへ
お迎え初日から、飼い主さんの生活は大きく変わりました。排泄介助が必要で、圧迫排尿や排便マッサージが欠かせなかったといいます。
「オムツを使っても脱げてしまい、洗濯や掃除、下半身を洗う日々でした。まめは足の靭帯が突っ張っていて、関節も通常とは逆方向に反ってしまう状態。先生に教わったストレッチも試しましたが、すぐにバネのように戻ってしまうんです」
それでも飼い主さんはあきらめず、家の中の段差や隙間をふさぎ、安全に動けるよう工夫を重ねました。
「まめを迎えてから旅行には行っていません。きっと預けても楽しめないと思うので。最初の頃は心配しすぎて目が離せず、24時間一緒にいたいほどでした。まめ自身はそんな私をよそに、カーテンやケージによじ登ってはハラハラさせられましたね」
病気やトラブルも多かったといいます。尿路結石、膀胱炎、血尿、膿瘍、アレルギー…。それでも、飼い主さんと一緒に少しずつ乗り越えてきました。
「一番うれしかったのは、自分でトイレに行って排尿できるようになったこと。オムツをしたままトイレに入っていったので急いで外すと、シャーッと排尿してくれたんです。あの日の喜びは忘れられません」
家に来て5カ月ほどでオムツを卒業。今では自力排尿のあと、膀胱マッサージで補助をしているそうです。排便もマッサージで促し、時にはまめちゃんのほうから「鳴いて知らせてくれる」といいます。
■悲しみのあとに訪れた“神様の贈り物”
6歳になったまめちゃんは、今もわがままで甘えん坊。鳴けば誰かが駆け寄ってくれることを、すっかり理解しています。
「少し鳴くだけで『どこか痛いの?』『寂しいの?』と駆け寄ってしまう私。6年間ずっと甘やかしてきた結果です。転がって待っている姿が本当にかわいくて…」
実は飼い主さんは、まめちゃんと出会う半年前に、急性腎不全で愛猫を亡くしていました。深い悲しみの中で迎えた新しい命。まめちゃんの存在は、心に大きな光を灯したのです。
「きっと神様が、毎日泣き暮らしていた私に授けてくれたのだと思います。下半身麻痺なんてなんのその。少しずつできることを増やしていく姿は、愛おしいという言葉では足りません。まめは私の生きがいであり、全てです。下半身麻痺は治らないかもしれませんが、わがままも甘えん坊も全部受け止めます。どうかこれからも元気で長生きしてね」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
























