目が開いたかぢめくん。1歳になった現在の姿はーー(画像提供:かさねさん)
目が開いたかぢめくん。1歳になった現在の姿はーー(画像提供:かさねさん)

今から1年半ほど前、「かぢめ」くん(1歳・男の子)は、Xユーザー・かさねさん(@kasaneww)家族の一員になりました。先代猫との別れに深い悲しみに包まれていた飼い主さんにとって、かぢめくんは暗闇を照らす光のような存在となりました。

■シェルターの動画で一目惚れした子猫

もともと飼い主さんは、自宅に迷い込んだ猫を保護したことがきっかけで猫との暮らしを始めました。初代のおかきくんは猫白血病で短い命を終え、2代目のもんめくんとも7年間を過ごしたのち、心不全で突然旅立ったといいます。

「私は毎日のように泣き暮らし、『もう猫と暮らさないほうがいいんじゃないか…』と悩む日々が続きました。けれども、初代おかきくんの懸命に生きようとする姿や、もんめくんとの楽しい思い出が、再び保護猫を迎えたいという気持ちを呼び起こしたのです」

そんな折、大阪の保護猫シェルターのYouTubeでかぢめくんを見つけました。九州の倉庫で母猫や兄妹と生まれ、新幹線で大阪にやって来たという小さな命。動画越しに目を奪われ、すぐにお見合いへと向かいました。

「お見合いのとき、かぢめが夫の膝の上でウトウトしていた姿はいまでも忘れられません」

■悲しみを癒やした甘えん坊の存在

2024年5月末、かぢめくんのトライアルが始まりました。ちょうど離乳期に猫カビを発症し、兄妹と離れて治療をする必要があったため、予定より前倒しでのスタートとなりました。

「トライアル当日、かぢめは最初の1時間ほど緊張していましたが、おもちゃを振るとすぐに元気いっぱい遊び始め、その日から添い寝までしてくれるほど堂々とした甘えん坊ぶりを見せてくれました」

当時は体のあちこちに毛が抜けてハゲもありましたが、シャンプーと薬で治療を乗り越え、すぐにフサフサの毛並みを取り戻しました。

「もんめくんを失って悲しみに暮れていた私たちに、かぢめは癒やしをくれました。おかきやもんめの話も『悲しい』から『かぢめはこうだけど、お兄ちゃんたちはこうだったね』と前向きに話せるようになりました」

■やんちゃで抱っこ好き、家族を笑顔にする末っ子

今では、かぢめくんは元気いっぱいのやんちゃな末っ子として、家族の笑顔を絶やさない存在になっています。

「かぢめはマイペースで末っ子気質。立っている人に飛びかかって無理やり抱っこさせるほどの抱っこ好きです。お気に入りのおもちゃを持ってきて『遊んで』と大声で鳴くこともありますし、遊び足りないときは文句を言うこともあります」

そんな自由奔放な姿も含めて、家族にとってはかけがえのない存在。飼い主さんは改めて、愛情を込めた言葉をかけました。

「毎日癒やしと笑顔をくれてありがとう。これからもたくさん一緒に遊ぼうね。お兄ちゃんたちのぶんまで元気で長生きしてね」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)