お迎え当日、ぴったりと寄り添う親子猫(画像提供:ともさん)
お迎え当日、ぴったりと寄り添う親子猫(画像提供:ともさん)

茶白猫の親子、ママ猫の「リン」ちゃん(推定5歳前後・女の子)、その子ども「レン」くん(2歳・男の子)と「モカ」くん(2歳・男の子)は、元保護猫。3匹は、2年前、Xユーザー・ともさん(@tomo_sorairo)夫婦のもとに迎えられました。

■野良から家族へーー親子に訪れた運命の出会い

ともさん夫婦が猫と暮らしたいと思い始めたのは、新居への引っ越しを終えたころでした。

「2023年7月、私たち夫婦は一軒家に引越しました。私は猫と暮らした経験がありましたが、夫はありません。かねてから『猫と暮らしたいね』と話していて、よくネットなどで保護猫の情報をみていました」

引っ越しから少し経った8月中旬、子猫2匹の緊急募集が目にとまりました。それが、生後2カ月ほどの兄弟・レンくんとモカくん。写真を見て“運命”を感じたともさんは、夫と相談して問い合わせをしました。

「問い合わせると、『譲渡会で子猫と面会できること』『その子たちの母猫もいること』を教えてもらいました。当初は子猫2匹を迎えるつもりでしたが、夫と話し合って母猫も一緒に受け入れることに決めました」

母猫リンちゃんは、TNR(※)のために保護される予定でしたが、子猫を連れてくるようになったため親子そろって保護され、里親を探すことになっていました。

譲渡会当日、リンちゃんは手前に、レンくんとモカくんは少し緊張気味で奥にいたそうです。

「『うちの子になってくれる?』と声をかけると、リンはこちらを見てくれたんです。その仕草を見て『うちにおいで』と声をかけ、3匹一緒に迎え入れることを決めました」

実は、きょうだいがもう1匹いたものの体調不良のため別の場所にいました。その子は別の里親さんに迎えられ、今は幸せに暮らしているそうです。こうして、親子3匹はともさん夫妻のもとで2週間のトライアル期間を過ごすことになりました。

(※Trap-Neuter-Return(捕獲・不妊去勢・戻す)の略。野良猫の繁殖を防ぐ活動)

■初日から“家族のように”寄り添ってくれた親子

2023年8月23日からトライアルがスタート。ともさんが仕事に出ている間、夫が家で迎えました。

「担当者の方が3匹を連れてきてくれました。リンは周囲をキョロキョロと見渡し、レンとモカはその後ろに隠れていたそうです。ウェットフードを与えると3匹ともすぐに食べて、お水も飲んでくれたので安心しました」

緊張の初日、レンくんはトイレの中でうとうと。夜には少しずつおもちゃで遊ぶようになり、家に慣れていく様子が見られました。

「初日は問題なく終わってホッとしました。最初のうちはケージの中で過ごしてもらい、1日数時間ほど自由にさせていました。2週間のトライアルを終えるころには、私たちが家にいるときはケージを開けるように。日中不在時や夜はケージで過ごしてもらっていました」

正式譲渡が決まるころには、リンちゃんはすっかりケージの外で過ごすように。安心できる場所を見つけ、ご飯をねだったり、遊びに夢中になったり、のびのびとした日々が始まりました。

「我が家に来て2、3日で“ここは安心できる場所”とわかってくれたようでした。私たちも2、3カ月は試行錯誤の日々でしたが、仕事を終えて急いで帰る毎日がとても幸せでしたね」

■家庭に光をもたらした親子猫 今、伝えたい飼い主の思い

今ではすっかり家族の中心となった3匹。それぞれ個性が光ります。

「3匹とも来客があると驚きます。リンは少しすると慣れますが、モカは震えてしまい、レンは特にビビリ。お客さんが帰ってもしばらく落ち着かないので、今はレンだけ別室に隠れています」

レンくんは、昨年の予防接種以来、飼い主さんの夫が外出用の服に着替えるだけで隠れてしまうほど慎重派に。リンちゃんはおおらかで、人に頭をぶつけてスリスリしながら甘えることも。

モカくんは、とても甘えん坊で、撫でてほしいときにはゴロンと寝転がるそうですが、自分なりの決めごとがあるようでーー

「レンがそばにいるときは甘える姿を見せません。お兄ちゃんに見られたくないようです。親子3匹はとても仲良しで、毎日見ていて飽きません」

飼い主さん夫婦にとって、3匹はかけがえのない家族になりました。

「うちに来てくれて、楽しい日々を与えてくれてありがとう。これからもずっとずっと楽しく過ごそうね」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)