元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖
元セクシー女優のフリーライター・たかなし亜妖

キャバ嬢のメディア進出やSNSでの発信力が目立ち、時折態度や発言が物議を醸すこともあります。売れっ子の多くがハッキリと物申す性格を持ち、オブラートに包まない様子などを見て「もしかすると、かなり性格が悪いのではないか?」と思う人も多いでしょう。

確かに、第三者的視点で「すごいな…」と感じるキャストさんは一定数存在するのは事実で、見栄えが良くない場合も……。しかしキャスト全員の性格が悪いわけではなく、むしろ批判されるのを承知の上でわざと棘のある振る舞いをしたり、「そうでもしないとやっていけない」など、複雑な背景が潜むものなのです。

■ガチで性格悪いキャストは全体の3~4割!?

元セクシー女優であり、元キャバクラのキャストをしていた筆者の個人的な体感として、本当に性格が悪いキャストは全体の3~4割な気がします。その他はぶっきらぼうだけど人情味があったり、義理堅い性格やびっくりするほど優しいなど、“一緒に働いても苦じゃない人”が残りの7割です。SNSでは強気発言を繰り返していても、実際は良い意味でのギャップがあったりします。

ただ残りの「性格が悪い人たち」が問題で、他者の蹴落としが好きな人、噂好き、度の過ぎた虚言癖、手癖が悪い人(モノ・客の横取り)を頻発させるレベルなのです。職場にいたら少し困る程度の話ではなく、もはや“追放したい”くらい根性がねじ曲がった行動を繰り返すキャストもたくさんいます。

堂々と性格の悪さを露呈する問題児も一定数存在するのは、一般的な社会では到底有り得ない話でしょう。「数字さえ持っていれば多少の問題にも目を瞑る」というナイトワーク特有の文化が、“性格が悪い人間”を集めて滞在させてしまう最大の原因となっています。

筆者も地方でキャバクラ勤務をしていた際、店内で「あの子はちょっと……」と言われていたキャストがいました。彼女は窃盗+悪口+虚言のコンボを繰り出し、最終的には辞めてしまったけれど、成績が良かったためギリギリまで店に在籍できていたのです。

不思議なことに、問題児こそ表側をキレイに見せるのが上手なもので、SNSでは「みんなに感謝」みたいな謎のポエムを書き綴っているから本当に怖いです。

■夜職で「多少の性格の悪さが必要」なワケ

とはいえ夜の世界で生活していくには、多少の性格の悪さは必要です。この場合の「性格が悪い」とは悪口を流すとか蹴落としなどではなく、「誰かの気持ちを読み取るようで、敢えて読み取らない」ことを示します。

お客さんの気持ちを察しすぎると、夜職は間違いなく相手のペースに巻き込まれ、売り上げも伸びずメンタルも消耗してしまうでしょう。相手の懐事情を細かく考えていたら、シャンパンのおねだりなどできません。

またお客さんたちは遊びに来る立場ということで、好き勝手なことを言います。例えば、どこからどう見ても可愛いorカッコいいキャストなのに、自分のタイプでないだけでブス呼ばわり。一般社会ではブスなんて言われたらショックで黙るか、真顔で「ヒドいよ」と返してしまうでしょう。しかし夜の世界では、場を盛り下げてはなりません。

このような場合は「えー私一部ではカワイイって大人気なのよ!」や「あれ、メガネの度合ってる?」、「私のお客さん面食いが多いんだけどなー」と返して場を和ませるのです。

上記の部分だけを切り抜けば「自分のことカワイイと思ってんのかよ。性格悪いな」と多くの人は感じますよね。でも自分の価値も場の空気も下げずに対応する力を発揮するのがナイトワーカーの仕事だからこそ、“性格悪い”キャラでないとやっていけないのです。

結論として「ナイトワーカーで性格が悪い人は一部。あとはキャラ」というのが筆者の考えです。人の心を扱う商売だけれど、自身の売り上げも追わねばならない。しかもちょっと強気キャラの方が売れやすいとなれば、性格悪めに見せるのもテクニックだといえましょう。

◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。