繁殖場で子犬を産むために飼育され、年齢を重ねると「不要犬」とされた犬たち。糞尿にまみれた長い毛は固まり、まるで鎧(よろい)をまとっているような状態でした。
「この子たちを救いたい。この子たちを助けてあげたいです」
こうつづり、Instagramへ犬たちの様子を投稿したのは、NPO法人「アニマルレスキューMiki Japan」代表の北村杏樹さんです。
投稿には、「あまりにもひどくて涙が止まらない」「この現実を世の中に広く知ってほしい」「どうかこれからの犬生を幸せに過ごしてほしい」と、犬たちを案じる声が相次ぎました。
■繁殖に使えなくなり「不要犬」に
北村さんによると、犬たちは繁殖場で子犬を産ませるために飼育されてきました。しかし、シニアになり繁殖に使えなくなると「不要犬」とされ、買い取り業者へ転売されそうになったといいます。
そんな犬たちをふびんに思い、個人で保護活動をしていた高齢者が引き取りました。
ただ、善意で保護したものの、フードを与える以上の十分な世話やトリミングまでは難しかったそうです。その方のもとには別に58頭の犬がいて、飼育は限界を迎えていました。
そこで、「アニマルレスキューMiki Japan」が犬たちを引き受けることを決めました。
現場には、「不要犬」とされた犬が20頭いました。団体にも受け入れられる頭数に限界があるため、まず14頭を保護。残る犬たちも、スペースを確保でき次第、順次保護する予定です。
■ふん尿で固まった毛 刈ると真っ赤にただれた皮膚が
今回保護されたのは、推定8歳と13歳のポメラニアン2頭、推定8歳のチワワ1頭、推定8~10歳のトイプードル2頭、推定5~10歳の柴犬4頭、推定8~10歳のペキニーズ4頭、推定5歳のダックスフント1頭です。
犬たちは、長い間、十分なケアを受けられなかったことがうかがえる状態でした。なかには目が白濁している子や、あごが溶けたような深刻な状態の子もいたといいます。
さらに長毛の犬たちは、毛がふん尿にまみれて固まり、まるで鎧をまとっているような状態でした。
「毛がふん尿にまみれて固まり、ゴテゴテで、まるで鎧をかぶっているようでした」
トリミングで固まった毛をバリカンで刈ると、その下から現れたのは、真っ赤にただれた皮膚でした。現在、皮膚病の犬たちは投薬治療を受けています。
■5センチを超える腫瘍も…手術へ
保護された犬のなかには、大きな腫瘍を抱えている子もいました。
推定13歳というポメラニアンのゆずちゃんは、腫瘍がさらに大きくなることが懸念されました。獣医師が診察した結果、麻酔にも耐えられると判断され、8月6日に摘出手術を受ける予定です。
また、チワワの男の子にも5センチを超える腫瘍があり、こう丸腫瘍と診断されました。こちらも手術による治療が予定されています。
すでに多くの動物を抱え、団体の受け入れ能力を超えている状況。それでも北村さんは、「看取り覚悟」で犬たちを迎える決断をしました。
「尊い命に年齢は関係ありません。シニアであっても、命を全うさせてあげたいと思っています。キャパオーバーであっても命をあきらめることなく、これからも活動していきたいです」
相次ぐ診察や投薬、腫瘍の摘出手術など、犬たちには継続的な医療が必要です。団体では現在、医療費の支援を必要としています。
繁殖の役割を終えたからといって、その命まで「不要」になるわけではありません。過酷な環境を生き抜いた犬たちが、これからは安心できる場所で、それぞれの命を全うできることが願われます。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
























