わが家の長男は、手のひらに乗るほど小さく生まれた「超低出生体重児」。12年ぶりに妊娠・出産・入院生活の記録をひもとき、筆者が連載を続ける神戸新聞子育てクラブ「すきっぷ」サイトのブログ「降っても晴れてもすきっぷびより」で、「『手のひらサイズ』で生まれたきみと」と題し、17回にわたって振り返りました。
2011年2月、予定日より3カ月早く、582グラムで生まれた息子。折れそうな体で気管挿管されるわが子を前に、自責の念と後悔で一日中泣き続けました。「産後うつ」と診断されても「母親として頑張る」ことをやめられず、服薬もできなかったこと、4歳の娘に味わわせた寂しさ。未熟児網膜症や心筋炎などの危機もあり、NICU(新生児集中治療室)と小児病棟での生活は約1年4カ月に及びました。仕事との両立の難しさや支えになった言葉なども交え、退院までの道のりを23年1月から今年6月までの1年半、連載しました。
過酷な治療も影響し、知的障害や自閉症、肢体不自由がある長男。出産当時のつらい記憶はほぼ〝封印〟してきましたが、人に恵まれ楽しく生きる姿に、背中を押されました。低出生体重児の子育て環境の充実につながればと、医療現場の人員配置基準の問題や、きょうだいを含めた家族へのケアの必要性にも触れています。
どなたでも無料で閲覧できます。当事者だけでなく子育てに関わるすべての人に読んでほしい。そう願いながらつづりました。
(すきっぷスタッフ 萩原 真)
2024/08/11 神戸新聞