日々小論

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 13年8カ月続いたラジオ番組が、きょう27日に終わる。TBSラジオの「久米宏 ラジオなんですけど」。リスナーとしては惜しい限りだ。

 絶妙な語りはもちろん、多彩で意外性のあるゲストも楽しみだった。田中真紀子元外相や玉城デニー沖縄県知事。新型コロナウイルスで名をはせた尾身茂氏も昨年登場していた。いずれも久米さんの鋭い切り込みに、話がぐんぐん深まっていった。

 ラジオが復権の兆しだ。自宅で、一人で、過ごす時間が多くなったからか。スマートフォンでいつでも聴けることも手伝って、軒並み聴取者が増えているという。

 国会論戦の生音声をふんだんに使う硬派な番組では、政治家のキャラクターがより近く感じられる。意外に秀逸な質問をする議員も見つけた。同じく政治を扱いながら、「どないなってんねん」と息巻く関西の番組もまたいい。

 地方色は魅力の一つだ。ラジオ沖縄はウチナーグチ(沖縄の方言)でニュースを読む。IBC岩手放送の「石川啄木うたごよみ」は、短歌を織り交ぜながら、足跡をたどる。リスナーからのお便りは「啄木さんの春の楽しみは何だったのでしょうか」。マニアな質問に、研究家が見事に答えていた。

 「ラジオは、聴いている人との1対1のコミュニケーション。それが集まって番組になる」

 先日、鬼籍に入ったアナウンサー小島一慶さんの言葉として紹介されていた。だからか。ラジオの時間は寂しくない。

 一人の「あなた」に向けてのメッセージだからこそ、多くの「あなた」に届く。みんなにあまねく伝えようとすると、かえって誰の心にも刺さらないこともある。

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