日々小論

  • 印刷

 「vs東京」を徳島県が宣言したのは2014年のことだ。少子化や人口流出が深刻な「消滅可能性都市」が公表された年でもある。当時は「うどん県(香川)」「おんせん県(大分)」「おしい!広島県」など名物を冠した県名や自虐的なコピーで注目を集める自治体のプロモーション合戦が盛んだった。

 一線を画し、「東京に勝つ」と真っ向勝負を挑む宣言は話題を呼んだ記憶がある。だが驚くのは、7年たった今も県の政策を貫く「共通コンセプト」として総合戦略のタイトルに明記されている事実だ。本気なのだ。

 宣言を見直すと、10ある柱の一つ「女性が自分らしく生きられる」が目を引く。「安心して子育てできる」とは別に、独立した項目になっているのが肝。女性だからといって子育てを機に夢をあきらめなくていい。伸び伸び生きたらいい。そんなメッセージを受け取った。

 もともと徳島は、企業の社長や管理職、県審議会委員の女性比率が常に全国1、2位を占めるなど女性活躍先進県で知られる。徳島商工会議所、徳島経済同友会、県経営者協会の現在のトップは全員女性だ。

 県の総合戦略に「男女共同参画立県」「女性目線の施策展開」といった記述があるのは、女性の活躍が全国に誇れる価値だと認識しているからだろう。

 実は、県庁に限れば女性管理職の比率は10%台前半で兵庫県と大差はない。若い女性が流出する悩みも共通する。だが、理念と目標を掲げ、課題に重点的に取り組むかどうかで将来の姿は違ってくるはずだ。

 東京にない価値を生みだし、地方から日本を変える。気概にあふれた宣言は今、進むべき道を模索するコロナ禍の社会にいくつものヒントをくれる。

日々小論の最新
もっと見る
 

天気(1月28日)

  • 10℃
  • 4℃
  • 10%

  • 6℃
  • 0℃
  • 50%

  • 11℃
  • 3℃
  • 10%

  • 9℃
  • 2℃
  • 30%

お知らせ