日々小論

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 異なる国の人たちが一堂に会すれば、国民性、地域性の違いを実感させられる。

 取材旅行でスペインを訪れた際、最後の日に多くの国から招待された記者たちでパーティーを開いた。スウェーデンや英国など欧州の北から来た人たちは静かに飲食しているが、南米などの人たちは酔って男女で肩を抱き合うなど、いたってにぎやか。その違いに驚いた。

 国民性のジョークでよく紹介されるのは、船が沈没し始めたとき、どう言えば乗客に海に飛び込んでもらえるか-。

 米国人には「飛び込めば君は英雄だ」と告げればいい。ドイツ人には「飛び込むのが規則です」。日本人に対しては「みんな飛び込んでいますよ」。

 出過ぎず、場の空気を読み、同じ行動を取ろうとする。いかにもありがちな日本人像だが、急所を突かれた気にもなる。

 「日本らしさ」は、自己主張がものを言う国際舞台では弱点となると思っていたが、「日本的な振る舞いには長所もある」と教えられた。

 日本の学生は事前によく課題の下調べをする。米国の学生は議論の力はあるが、下調べは不十分なことが多い。そう語るのは、神戸市外国語大学で教える米国人のマイケル・デイヴィッド・ホリンバック准教授だ。

 昨年、同大学がホスト役を務めた「模擬国連世界大会」に向け、英語による議論を徹底指導した。学生らは初日こそ戸惑いを示したものの、以降は自分らしい出番を見つけて他国の参加者と意見を交わしたという。

 「人には誰も個性がある。国際社会も同じ」と准教授。ならば日本文化の特性を発揮することが強みにもなるだろう。しっかりと準備して臨む行動は、世界中で通用するはずだ。

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