日々小論

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 新型コロナウイルス禍が続く中、神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)の救急科で、女性医師の出産が相次いでいる。2人は育児休業を経て復帰し、もう1人が産休に入った。同科は新型コロナの重症患者を数多く受け入れ、医療の逼迫(ひっぱく)も経験してきた。それだけに、新しい命の誕生にスタッフらは励まされている。

 副医長の神谷侑画(かみたにゆうか)さん(39)は、感染第1波ただ中の2020年4月に第1子の育休から復帰し、第6波の22年2月に第2子の産休に入った。その間、コロナ患者専用病棟での診療も経験。同年3月に男児を出産し、翌年1月から復職している。

 「妊娠中や授乳期間はコロナ患者を診ない担当に代えてもらった。いろんな配慮の積み重ねに支えられた」と振り返る。

 復職のたびに心を奮い立たされる。チームリーダーなど責任ある立場が用意されていたからだ。「勤務時間は短くても、目いっぱい頑張ろうと思います」

 第1波が始まった頃、副医長の栗林真悠(まゆ)さん(35)は身重だった。家族が心配したため、予定より早く産休を取ったが、「みんな頑張っているのに」と思い悩んだ。「引け目を感じる必要はない」との周囲の励ましに救われたという。

 職場に復帰し、コロナ患者も受診する可能性がある救急外来を担当した時も、家族は心配顔だった。しかし、栗林さんが仕事に生きがいを感じている様子を見て、夫は「復帰してよかった」と言ってくれたという。

 2人は院内保育所に子どもを預け、職場にも連れてくる。救急科部長の有吉孝一さん(56)は「こんなにうれしいことはない」と話す。コロナ禍の状況でも子どもを産み育てられる環境は、診療の質も高めるはずだ。

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