日々小論

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 「多様な道筋のもとで、共通のゴールを目指す」。先日、札幌市での先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合を終え、共同議長を務めた西村康稔経済産業相は強調した。

 「共通のゴール」は、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出の実質ゼロ)の実現を指す。肝心なのは、そこに進むスピードと実効性のある対策だ。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、今後10年の温暖化対策が、人類や地球に「数千年にわたり影響を与える」と警告している。

 今回のG7の共同声明にも「2035年までに温室効果ガスを60%削減(19年比)する緊急性が高まっている」と明記された。日本の削減目標をさらに強化する必要がある。

 だが環境相会合では、石炭など化石燃料の活用を続けたい日本の姿勢が際立った。電気事業者の最新の電力供給計画でも、今後10年の石炭火力による発電割合に変化は見られない。

 神戸ではこの2年で、石炭火力発電所が2基増設された。住民らが稼働差し止めなどを求めた民事訴訟では、神戸地裁が先月、請求を退けた。判決は、気候変動の被害に対する住民らの懸念を「不確定な将来の危険に対する不安」とした。

 温暖化が豪雨や猛暑を強める「追加的な被害」をもたらすなど、気候変動の影響は国内でも顕在化している。被害が深刻化してからの対応では手遅れだ。

 昨年、国連のグテレス事務総長は「私たちは気候変動地獄へと向かう高速道路を、アクセルを踏んだまま走っている」と、各国に対策強化を求めた。

 行き先は共通のゴールか、気候変動地獄か-。私たちが岐路に立っているという危機意識こそ、社会全体で共有したい。

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