特別展の見どころなどを語る井茂圭洞さん=17日午後、神戸市東灘区向洋町中2(撮影・丸山桃奈)
特別展の見どころなどを語る井茂圭洞さん=17日午後、神戸市東灘区向洋町中2(撮影・丸山桃奈)

 現代かな書の第一人者の軌跡をたどる特別展「文化勲章受章記念 井茂圭洞の書-神戸が生んだかな書の巨匠-」(神戸新聞社など主催)が18日、神戸市東灘区向洋町中2の神戸ゆかりの美術館で開幕する。17日の内覧会で新作を含む84点が公開された。

 井茂さんは1936年、神戸市生まれ。兵庫県立兵庫高校在学中に書道部の顧問だった故・深山龍洞さんに師事。伝統美に現代性を盛り込んで生み出した「散らし書き」と呼ばれる書風が高く評価され、2023年に文化勲章を受章した。

 赤い絹本に、刻み込むような鋭い線が特徴の「御酒/古事記」(19年)は、字体の大きさや強弱を意識して制作した。井茂さんは「神にささげる宴の情景を詠んだ歌に材を得て、神戸を照らす太陽や自然の美しさを表した」と話す。富士山を詠んだ歌をしたためた新作10点も並び、89歳となった今も「まだまだ書ける。学んで、少しずつ進歩したい」とほほえんだ。

 6月14日まで。午前10時~午後5時。月曜休館(ただし5月4日は開館し、7日休館)。一般1300円など。神戸ゆかりの美術館TEL078・858・1520(津田和納)