「経営陣が先頭に立ち、コンプライアンス(法令順守)ファーストの意識醸成と二度とコンプライアンス違反を起こさない仕組み作り、企業風土改革を推進し…」。100枚以上に及ぶ資料の最後に、再発防止への決意がつづられていた。
この文章は2023年に川崎重工業(神戸市中央区)の子会社、川重冷熱工業(本店・滋賀県草津市)が記したものだ。川重冷熱は1984年から38年間にわたり、ビル空調などに使う冷凍機の検査データを改ざんしていた。川重は22年6月に問題を公表。23年3月に調査結果をまとめ、川重冷熱の決意文を添えた。
それから1年9カ月後の昨年12月27日。潜水艦修理契約を巡る裏金問題を受け、川重が東京本社で記者会見を開いた。「経営陣が先頭に立ち、不正ができない仕組みの構築、不正発見の強化、組織風土・意識改革に全力で取り組む」。橋本康彦社長はこう強調した。川重冷熱の決意文と趣旨が重なった。