昨年収穫した丹波大納言小豆を手にする中出靖大さん。畑ではいま小豆の黄色い花が咲いている=17日、丹波市春日町稲塚
昨年収穫した丹波大納言小豆を手にする中出靖大さん。畑ではいま小豆の黄色い花が咲いている=17日、丹波市春日町稲塚

 京都をはじめ全国の和菓子店で重宝される丹波市特産の「丹波大納言小豆」が苦境に立たされている。昨年は少雨と高温で、「災害級」(JA丹波ひかみ)の凶作だった。価格が高騰するコメへの生産転換が進み、市内の作付面積は昨年から26%減った。収穫期を前に、産地の再起を目指す関係者らは天候の変化に神経をとがらせる。(長尾亮太)

 昨年11月、収穫期を迎えた丹波市内の小豆畑で異変が起こっていた。小豆の株に、ほとんど豆がなっていなかったのだ。「12年間栽培してきて初めて」。市内の生産者でつくる丹波大納言小豆生産振興会の中出靖大会長(46)は振り返る。

 兵庫県立農林水産技術総合センター(加西市)によると、小豆は9月上旬に開花が始まる。この時期に土壌の水分が不足すると花が落ち、豆の収量が減る。