長尾小学校の児童らに平和への思いを話す近藤紘子さん=宝塚市山本東1
長尾小学校の児童らに平和への思いを話す近藤紘子さん=宝塚市山本東1

 生後8カ月の時に広島で被爆した近藤紘子(こうこ)さん(79)=三木市=が9日、宝塚市立長尾小学校(山本東1)で講演した。広島では原爆投下直後に推計約14万人が犠牲になったとされており、来月で79年となる。聞き入った6年生約190人は今秋、修学旅行で広島を訪れる。(土井秀人)

 1945年8月6日午前8時15分。米軍の爆撃機「エノラ・ゲイ」が広島に原爆を投下した時、近藤さんは爆心地から1・1キロの教会施設にいたが、一命を取り留めた。

 父は関西学院大出身の牧師で、被爆者救済や平和のために奔走した故谷本清さん。近藤さんは幼い頃、教会に来る若い女性に「紘子ちゃん、紘子ちゃん」とかわいがられた。だが、お姉さんたちを直視できなかった。まぶたが額に付いて目を閉じられない人、唇があごに張り付いた人、指が全て引っ付いた人…。彼女らの話を一生懸命聞き、心の中で誓った。「絶対にエノラ・ゲイに乗っていた人を見つけて、敵を討つ」