防災について学ぶ体験型のイベント「アクタあそBOSAI」が9月29日、西宮市北口町の商業施設「アクタ西宮」であった。甲南女子大学(神戸市東灘区)の学生らが災害時に役立つ「パッククッキング」を紹介するなどし、大勢の親子連れが耳を傾けた。(地道優樹)
同施設を管理する関西都市居住サービス(大阪市)が毎年企画。3回目となる今回は地元の甲南女子大と初めてコラボ開催した。
避難所の生活を体験するコーナーでは、段ボール製の簡易ベッドなどを学生が紹介。段ボール箱をポリ袋で覆った非常用トイレもテント内に設営し、排せつ物を凝固剤で固める仕組みを説明した。
初めて簡易ベッドで横になったという西宮市の会社員、武澤千斐呂さん(36)は「思ったよりも硬かった。1日なら我慢できても、1週間とか続くとしんどそう」と話していた。
食材を耐熱性のポリ袋に入れ、鍋の湯で加熱して作るパッククッキングを紹介したのは、医療栄養学部の4年生3人。無洗米やひじき、麺つゆ、缶詰の焼き鳥を使った「焼き鳥ひじきご飯」などのオリジナルレシピを伝授した。
森りらさん(21)は「アレルギーや持病で炊き出しのメニューが食べられない人もいる。災害に備えてこんな調理法もあるんだと知ってもらえれば」と力を込めた。
避難所での高齢者ケアをテーマにした講話もあり、看護リハビリテーション学部の松岡千代教授(60)が「『大丈夫ですか』という声かけでは、遠慮して困り事を言い出しづらい。『眠れていますか』などと具体的に体調を尋ねることが大切」とアドバイスしていた。