鬼の登場に驚き、大泣きして勝利を収めた子ども=須磨区天神町2、綱敷天満宮
鬼の登場に驚き、大泣きして勝利を収めた子ども=須磨区天神町2、綱敷天満宮

 赤ちゃんの健やかな成長を願う「泣き相撲」が13日、綱敷天満宮(神戸市須磨区天神町2)であった。生後6カ月から2歳まで33人の赤ちゃん力士が元気な泣き声を響かせ、訪れた人たちが目尻を下げて見守った。

 同天満宮で祭られている学問の神様・菅原道真は、相撲の祖とされる野見宿禰(のみのすくね)の子孫と伝わる。これにちなみ、邪気を払い、子どもたちの健康を祈願しようと、2023年から毎年開催している。

 赤ちゃんは保護者に抱きかかえられ、東西に分かれて土俵入り。保護者がわが子の好きな遊びなどを紹介し、「思いやりのある子に育ってほしい」「たくさん食べて元気に過ごしてほしい」と願いを語った。

 取組は「泣いたら勝ち」。「はっけよい、のこった」の行司のかけ声に、多くの赤ちゃんたちがすぐに顔をくしゃくしゃにして涙顔に。双方がなかなか泣かない対戦では赤鬼が登場するも、余裕の笑顔を浮かべるつわものもいて、境内は笑いに包まれた。

 近くに住む井上築(きづく)さん(32)は、次女緋音(ひより)ちゃん(9カ月)の泣く姿を写真に収めて、「病気で入院したこともあったけど、強く元気に育ってくれて本当にありがたいです」と話した。(門田晋一)