肉の切り方にもこだわる廣岡誠道社長=三田市南が丘2
肉の切り方にもこだわる廣岡誠道社長=三田市南が丘2

 兵庫県三田市内に「肉を沸かす」をコンセプトにした一風変わった焼き肉店がある。南が丘2に今春オープンした、その名も「沸かし屋」。独自開発の器具を備えたこんろで、じっくり時間をかけて肉に火を通すことで、表面を焦がさず、うま味を閉じ込めた一枚に焼き上げるという。

 運営するのは、食肉卸・小売業の「丸優」。2012年から営業していた焼き肉店は新型コロナ禍で閉店を余儀なくされ、今年4月から新しい提供方法で再出発した。

 「沸かし屋」は、幼い頃から父に連れられて肥育牧場の牛を見て育ってきた廣岡誠道社長(60)が「いろんな店に食べに行き、経験と独学からたどり着いた」というこだわりが詰まる。

 最も特徴的なのは、ガス火と網の間にある企業秘密のプレートだ。特許を取得した構造で、廣岡社長によると、プレートが発する遠赤外線で肉を内側から加熱することで焦げ付かず、うま味成分をほぼ逃がさずに調理できる。火が通り始めると肉の水分がぷつぷつと表面に現れ、これが「肉が沸いた合図」という。

 もちろん肉にもこだわる。同社の預託牧場などで育った牛を一頭買いし、全部位を売り切る。

 価格は牛によって変動する。決して手頃とはいえないが、「牛という大きな命を、肉に見合った適正な値段で味わってほしい」と廣岡社長。「肉を囲み、家族の絆や友達の仲間意識、商談も沸かして」と話している。

 午後5~10時。火-木曜定休。沸かし屋TEL079・564・2929

(谷川直生)