室津港(たつの市御津町)の沖合が、水中考古学の分野で注目を集めている。古代から海上交易の要衝として栄えて「播磨国風土記」や「万葉集」にも登場する一方、周囲には危険な岩礁地帯もあり、当時の航行技術では多くの船が座礁し、沈没したことが推測される。室津沖では今夏、研究機関による水中調査が初めて実施された。陸上と異なり調査の進んでいない水中で、新たな発見が期待される。(西竹唯太朗)
水中考古学とは、海や湖底などの水中を対象に、遺跡や遺物の調査を実施する学問。日本近海では全域に、海のシロアリとも呼ばれる「フナクイムシ」が生息し、木造の沈没船は食い尽くされるケースが多いため、欧州などと比べて調査が進みにくい背景もあるという。「日本で見つかっている中世の沈没船は、元寇の軍船のみ。国産の船が見つかれば価値は非常に高い」。今年7月、室津沖で水中調査を担ったNPO法人水中考古学研究所(京都市)の吉崎伸理事長(67)が力を込める。
吉崎理事長らによると、室津沖には港の周辺としては珍しく岩礁が点在。中でも「ソワレ」と呼ばれる岩礁は満潮時に水没し、干潮時には水面にぎりぎり顔をのぞかせる危険な場所であり、江戸時代には姫路藩が座礁防止のため、岩に標木を打ち付けた-と記す古文書もあるという。























