再整備の計画がある兵庫県の庁舎群。県庁舎の再整備も文書問題のあおりを受ける=神戸市中央区下山手通5
再整備の計画がある兵庫県の庁舎群。県庁舎の再整備も文書問題のあおりを受ける=神戸市中央区下山手通5

 兵庫県の斎藤元彦知事らの言動を「違法行為」として告発した元西播磨県民局長の文書問題が影響し、県政の停滞が目立ち始めている。知事のパワハラ疑惑などが取り沙汰される中、県が置く検討会などへの委員就任を企業や団体に断られたり、民間との連携事業が延期になったりしている。3カ月以上に及ぶ問題は収束が見通せず、県職員からは「仕事を前に進められない」と嘆く声が聞かれる。

民間連携事業の締結式「延期して」

 「今はタイミングがよくない。しばらく見合わせにしたい」

 ある民間団体から県の担当者に連絡があったのは7月に入ってから。昨年から準備してきた地域活性化の連携事業の締結式を延期してほしいとの申し出だった。本来は大々的にPRして今月中にもスタートさせるつもりだった。担当者は「理由を聞いても答えてもらえなかった。思い当たるのは文書問題の件しかない」とうなだれる。