兵庫県の斎藤元彦知事らに対する告発文書問題で、これまで「疑惑の調査結果を待つべき」と知事の進退に踏み込まなかった日本維新の会が9日、一転して辞職を求めた。衆院選が近づき、斎藤知事に対する姿勢は維新の足かせになりかねないとかじを切り、他会派に先んじた単独行動で「斎藤降ろし」を印象付けた形だ。しかし、初当選で支援を受けた維新の辞職要求もはねつけ、斎藤県政の行方は不透明さを増している。
■吉村氏、電話で説得ならず
「(告発文書の)最初の扱い方を間違えていたと思う。知事を辞職して県民に問うべきではないか」
維新共同代表の吉村洋文大阪府知事は9日、斎藤知事と7日に電話し、説得を試みたことを明かした。
吉村氏は斎藤知事が大阪府財政課長時代の上司に当たる。3年前の兵庫県知事選では維新が自民とともに斎藤知事を推薦し、吉村氏自ら何度も応援に駆けつけた。