兵庫県丹波篠山市を代表する秋の特産品、黒枝豆の販売が7日、市内で一斉に解禁された。夏の高温と少雨の影響で例年より成長が遅れたが、10月上旬の雨で一気にさやが膨らみ、こくのある味に仕上がったという。食べ頃は今月いっぱいで、待ち望んだファンが朝から行列を作った。
市農都政策課によると、丹波篠山産の黒枝豆は300年以上前から栽培されている黒大豆の在来系統「丹波黒」を完熟前に収穫したもの。大粒で独特の甘みが特徴とされる。
7日は篠山産業高校(同市郡家)の実習農場で式典があり、市農業生産組合協議会の利根茂樹会長(73)が「(消費者に)丹波の秋を楽しみ、伝統を誇る味を賞味いただきたい」と解禁を宣言。農家や同校生徒、行政関係者らと収穫を祝った。
市内にあるJA丹波ささやまの直売所には朝から約60人が並んだ。神戸市北区から訪れた男性会社員(37)は、両手に黒枝豆の束を抱え「家に帰って子どもと食べるのが楽しみ」と笑顔を見せた。(那谷享平)