神戸新聞NEXT
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 「給食の廃棄はもったいない。どうにかできないか」-。神戸市立中学校の学校支援員や給食の配膳員から、本紙夕刊の「イイミミ」にそんな意見が相次ぎ寄せられた。神戸市立中では、事前にランチボックス(弁当箱タイプの給食)を注文した生徒が欠席すると、そのまま全て処分しているという。食品ロスの削減や食育の推進が求められる中、廃棄を防ぐ手だてはないのだろうか。(鈴木久仁子)

■毎日20パック処分

 市立中(82校)の生徒は昼食として弁当持参のほかにランチボックスも選択でき、利用も多い。ただ、国の基準により一定の温度での衛生管理を求められ、冷めているのがネックとされる。このため9月から順次、温かい給食を全員に提供する方式に切り替えているが、完全実施の2026年1月までは学校によってランチボックスも残る。

 ランチボックスの希望者は月単位で申し込み、注文数に応じて担当業者が各校に配送する。当日のキャンセルはできず、他の生徒に譲ることもできないため、欠席者や不登校気味の生徒の分は手つかずで返却され、日によっては業者から「帰りも重い」とのため息が漏れるほど大量になることもある。