第三者委の調査報告書は、パワハラが疑われた斎藤元彦知事の16項目の行為のうち、10項目を「パワハラに当たる」と判断した。職員とのコミュニケーション不足や高すぎる要求水準が背景にあり、「異論を許さない雰囲気」だったと分析。組織のトップは「自分とは違う見方もありうると複眼的な思考を行う姿勢を持つべき」と提言した。
たとえば告発文書で「自動車進入禁止のため、20メートルほど手前で公用車を降りて歩かされ、出迎えた職員らを怒鳴り散らした」などと記された事案は、パワハラと認定した。客観的に必要性がないうえ、相当性を欠く方法で行われた叱責は、本人だけでなく、事実を伝え聞いた職員も萎縮させたと評価し、「勤務環境を悪化させた」とした。