冬から春にかけて、乳幼児突然死症候群(SIDS)で亡くなる乳幼児が増えるとして、こども家庭庁が注意を呼びかけている。帰省などで寝具や生活リズムが変わると発症の可能性が高まるとされる。担当者は「長距離移動も乳幼児にはストレスとなる。体調が悪い時は帰省計画を再検討し、改めて睡眠環境を見直してほしい」と話す。

 SIDSは、健康な乳幼児が眠っている間に何の前触れもなく亡くなる。原因は解明されていないが、自律神経の発達の未熟さや、外的ストレスなどさまざまな要因が重なって発症するとの指摘がある。1歳未満での発症がほとんどで、特に2カ月から6カ月までに多くみられる。2024年には55人の乳児が死亡し、乳児期の死因の第3位だった。

 SIDSの発症率を下げるためには、1歳まであおむけで寝させることや、周囲でたばこを吸わないといったことが有効とされる。こども庁は窒息を防ぐために「硬めで平たんな寝具を使う」「顔を覆うことがないように服や空調で温度調整する」など、適切な睡眠環境の五つのチェックポイントも挙げている。