上流に向かって跳びはねる稚アユ=姫路市余部区 
上流に向かって跳びはねる稚アユ=姫路市余部区 

 天然アユの遡上が、姫路市やたつの市など兵庫県西部を流れる揖保川流域で本格化しつつある。稚魚の群れが上流に向かって勢いよく跳びはね、水しぶきの中で銀鱗を輝かせている。

 揖保川漁業協同組合(宍粟市)によると、今年は4月上旬に初確認された。ゴールデンウイーク前後にピークを迎え、5月末ごろまで続く見込みという。

 河口から約3キロ北にある浜田井堰(姫路市余部区)では、体長8~12センチの稚魚が激流に向かって何度もジャンプ。せきを飛び越えてからも、餌を食べながら上流にさかのぼり、宍粟市山崎町付近まで約30キロも泳ぐという。

 同漁協の田中竜彦理事(62)は「昨年は水量が多く、遡上をあまり確認できなかった。今年も心配していたが、例年並みの数が見られて一安心」と話した。

 揖保川流域では、5月26日にアユ漁が解禁される。(辰巳直之)