阪神・淡路大震災から30年の節目となる2025年1月17日の神戸の鳥瞰図を描いた青山大介さん=神戸市中央区
阪神・淡路大震災から30年の節目となる2025年1月17日の神戸の鳥瞰図を描いた青山大介さん=神戸市中央区

 神戸市西区の鳥瞰(ちょうかん)図絵師青山大介さん(49)が、阪神・淡路大震災から丸30年となった2025年1月17日午前の神戸中心部の街並みをモチーフに、鳥の目線で描いた作品を完成させた。当日の空撮だけでなく、まちを歩いて撮影して回り、年に一度「喪に服する神戸」の様子を描写。自身の被災体験もあって強い思いで臨んだといい、これまで手がけた約150作品の中でも「一番力を入れて出来上がった自信作」と話している。(安福直剛)

 阪神・淡路では同市長田区の自宅が全壊して避難所生活を送り、変わり果てた大好きな神戸の姿に心を痛めた。今作について「まちはずいぶん復興しましたが、各地に傷痕は残っています。隅々まで歩いて、30年たってまちがどう変わったのかをきちんと残しておきたいと思って」と動機を語る。

 タイトルは「みなと神戸バーズアイマップ2025」で、原寸は横1・7メートル、縦1・3メートル(縮尺1600分の1)。これまでにも定点観測のような形で、08年、14年、17年と同じ視点から作品を手がけた。ビルの窓ガラス一枚一枚、屋上にある空調設備の一つ一つ、これら全てを忠実に再現するのはいつものスタイルで、本人は「当たり前のことですよ」と笑う。

 青山さんの真骨頂は街歩きだ。今回も1カ月近くかけて作品の範囲にある全ての路地を踏破した。ひび割れを補修した形跡があるビルもあれば、壁面に応援のメッセージが残る建物も。かつては建物があったであろう場所が、いまだ駐車場のままになっているのにも気付いた。当日の空撮千枚に加え、地上から撮影した写真は6千枚。それら全てを住所ごとに区分けし、作品の細部に反映させた。

 「これからも神戸はどんどん変わっていくのでしょう。だから何十年か先に、未来の人が作品を見て『震災から30年後の神戸はこんな様子だったのか』と思ってもらえれば」

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 作品の範囲はおおむね、東西はJR三ノ宮駅東側からJR神戸駅西側辺り、南北は神戸港沿岸からJR沿線北側辺りまで。主に太さ0・13ミリのペンで描いているため、普通に眺めるだけでは気付かない作品の細部について、青山さんに解説してもらった。

 毎年1月17日に集いが開かれる東遊園地(同市中央区)。灯籠でかたどった「よりそう 1・17」の文字があり、周囲には追悼する人々が訪れている。神戸市役所や大丸神戸店、神戸ポートタワーなどでは半旗が掲げられ、弔意を表している。昨年は節目の年だったこともあり、天皇、皇后両陛下が神戸に来られた。両陛下が乗っている車がホテル前に到着する様子も描かれている。

 08年以降、青山さんが定点観測して気付くのは、建物の移り変わりの激しさだという。特に旧居留地周辺では既存のビルが解体され、新しいマンションが次々と立つ。再開発に伴ってウオーターフロントの様子も大きく変わり、「震災30年」の時間の重みを感じるという。

 作品は18日まで、神戸市営地下鉄海岸線の三宮・花時計前駅に展示されている。購入を受け付け中で、希望する特定の区画だけ買うことも可能。詳細は公式ホームページ(QRコード)。