事故からの25年を振り返る有馬正春さん(右)と友起子さん=明石市内
事故からの25年を振り返る有馬正春さん(右)と友起子さん=明石市内

 子ども9人を含む11人が亡くなった2001年の明石歩道橋事故は、21日で発生から25年となる。2人の子を失った有馬正春さん(67)と友起子さん(56)夫婦=明石市=はこの春、4歳のおいっ子を家庭に迎え入れた。正春さんは年齢的に不安もあったが、命の尊さを思い、親を亡くしたおいっ子に手を差し伸べずにはいられなかった。「ちゃんとしてあげなあかんよ」。2人も背中を押してくれている気がする。(森 信弘)

 夫婦は、事故で長女千晴さん=当時(9)=と長男大さん=当時(7)=を亡くした。事故の原因究明のため、雑踏警備の責任を問う民事訴訟に参加するなど、関連の裁判に15年もの時間を費やした。「ちゃんと計画を立てていれば事故は起きなかった。これは人災だ」と正春さん。やりきれなさが消えることはない。

 一方で、「2人は、常に心の中にいる」と友起子さん。「2人とも死にたかったわけじゃない。生き残った私たちが命を絶対に無駄にせず、前を向かないと」と自らを奮い立たせてきた。事故後に生まれた次女(22)は今春から幼稚園で働き、次男(19)は大学2年生になった。