パリ五輪のセーリング混合470級で日本初の金メダルの期待が懸かる吉岡美帆(33)=ベネッセ=の競技人生は、芦屋の海から始まった。きっかけは県芦屋高への進学。「船に立って身を乗り出す爽快感」と、原点を振り返る表情は太陽のように明るい。(有島弘記)
西宮市立塩瀬中ではバレーボール部。頭一つ抜け出た身長を見込まれて入ったが、練習の厳しさに途中退部した。自宅と学校を往復する生活が続くと、スポーツに飢えた。「バスケットやバドミントンは中学から始めた子が多い。珍しいヨットなら、みんな一からのスタート」。高校進学を機に新たな世界に飛び込んだ。
「大きな子が入ってきてくれたな」。顧問を務めた本田善一さん(70)も身長に目が行った。現在177センチ。同じぐらいの背丈だったという。