羽をけがして保護された野外コウノトリを治療する松本令以獣医師(左)ら=豊岡市祥雲寺
羽をけがして保護された野外コウノトリを治療する松本令以獣医師(左)ら=豊岡市祥雲寺

■事故防ぐ環境づくりへ知恵絞る

 「まだ痛がってるなあ」

 2025年11月、目隠しされた3歳の雄のコウノトリが、豊岡市祥雲寺の県立コウノトリの郷(さと)公園にある入院ケージで、松本令以獣医師(50)から羽のリハビリを受けていた。

 この鳥は同10月、加西市内で保護された。「右翼があらぬ方向に曲がってうずくまっていた」のを、犬の散歩をしていた住民が見つけた。同市の職員が郷公園に搬送したという。

 けがをした状況は不明だが、右翼と足の指などを骨折していた。折れた羽にステンレス製のピンを入れ、関節が固まらないよう週1回の包帯交換時に伸ばす。獣医補助者に抱かれておとなしくしていたが、身じろいだ。ただ予後は良好といい、野外復帰に向けてリハビリを続ける。

 住民からの報告でけがをした鳥が見つかったり、事故の状況が分かったりする事例は多い。救護され、郷公園で回復させて野外に戻している。郷公園の鳥井ゆかり総務課長(61)は「数が増えて順調に見えるが、野生復帰の取り組みは始まったばかり。意義に賛同し、協力してくれる住民や行政の存在は心強い」と話す。

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