稲美町で民家が放火され、小学6年の松尾侑城(ゆうき)君=当時(12)=と、1年の眞輝(まさき)君=当時(7)=が犠牲になった事件から19日で2年となる。逮捕・起訴された伯父(53)の裁判に向けた手続きが進む中、兄弟の三回忌を前に、父親(60)と母親(50)が取材に応じた。「まだ事件が夢だったなら、と考える。元気な2人が帰ってきてほしい」とやり場のない思いを語った。(児玉芙友)
事件の夜、現場に駆け付けた両親が目にしたのは既に焼け焦げた家だった。家の前で「田んぼから出てきてくれるかも」「伯父が連れ出してくれているかも」と祈り続けた。
両親にとってこの2年は、悲しみと苦しみに押しつぶされそうな日々だったという。息子たちの笑い声が絶えない日常が事件で一変した。何度も死を考えた。