内閣総辞職の閣議に臨む石破茂首相=21日午前8時50分、首相官邸
 内閣総辞職の閣議に臨む石破茂首相=21日午前8時50分、首相官邸

 石破内閣は21日午前の閣議で総辞職した。石破茂首相は7月の参院選に大敗し、9月に退陣意向を表明したものの、自民党の新総裁選出や国会での首相指名の調整が長引いた。在職日数は386日で森喜朗氏に次ぐ戦後24番目の長さとなった。総辞職に当たり首相談話を発表し「少数与党という厳しい状況の中、国民の皆さまに誠実に語る姿勢を持ちたいとの思いで全力を尽くした」と訴えた。

 首相は在任中、地方創生や防災立国を看板政策に掲げた。東京圏から地方に移住する若者の倍増を目指す「地方創生2・0」基本構想を公表。2026年度の防災庁創設へ準備室を発足させた。

 日米関税交渉では「相互関税」と自動車関税をそれぞれ15%とする内容で合意。最低賃金は、25年度の引き上げ額が全国平均で過去最高となった。コメ価格高騰を受けて備蓄米を放出し、事実上の減反政策を転換した。

 ただ昨年10月の就任直後の衆院選で少数与党に陥り、苦しい政権運営が続いた。参院選でも過半数維持の目標に届かず、物価高対策などの政策を進められない政治空白が長期化した。