中東情勢の緊迫化が、全国の銭湯に打撃となっている。ホルムズ海峡が事実上封鎖され、ボイラーで水を温めるのに使う重油の供給が減り価格が上がった。近年、後継者不足や銭湯離れで苦しい経営を強いられてきたが、入浴料を簡単に上げることはできない。燃料高が追い打ちとなり、時短営業や廃業するところも出始めた。
1919年に創業し、代々家族経営する愛知県津島市の銭湯「池須温泉」。肌寒さが残る4月上旬、客が足早に浴場に向かっていた。番台で入浴料を支払う昔ながらのスタイルで、住民の憩いの場となっている。
業者の重油取扱量が不安定になり、毎月1トンあった仕入れが半減した。3月末から開店を1時間遅らせ、客は1日で約10人減った。経営に携わる松井敦子さん(57)は「大打撃。(業者から)『この量をこの値段で』と言われたら、受け入れざるを得ない」と話す。
業界には、自由に入浴料を決められない特有の事情がある。終戦後のインフレ対策で出された物価統制令に基づき都道府県知事が上限額を定めている。
























