光格子時計を開発した東京大の香取秀俊教授=10日、埼玉県和光市
 光格子時計を開発した東京大の香取秀俊教授=10日、埼玉県和光市

 単位を決める最高機関の国際度量衡総会が、1秒の長さを再定義する議論を進めている。現在の定義は「セシウム原子時計」に基づいているが、より精度が高く、日本で開発された「光格子時計」や、欧米で研究が進む「単一イオン光時計」を採用する案が有力となっている。10月にフランスで開かれる総会で定義に向けた課題を整理し、早ければ2030年の総会で新定義と実施時期が提案される見通しだ。

 光格子時計は、特別な波長のレーザー光で作った格子状の枠「光格子」に数千~数万の原子を一つずつ閉じ込める。「卵パック」のような器に入った原子が吸収する光の周波数を、一斉に測定することで驚異的な精度を実現する仕組み。

 使われるのはストロンチウムやイッテルビウムなどの原子。セシウム原子時計の精度を大きく上回り、約300億年に1秒ほどの誤差しか生じない。ストロンチウムを使う光格子時計を開発した東京大の香取秀俊教授(物理工学)は、ノーベル物理学賞の有力候補とも言われる。