【ローマ共同】イタリア上院で23日、国内での原子力発電再導入に向けた政令整備の権限を政府に委ねる法案が賛成多数で可決され、同法が成立した。ANSA通信が伝えた。小型モジュール炉(SMR)など次世代型原発の導入を想定。最近の世論調査では再導入に賛成が多数となっているが、反対意見も根強い。

 メローニ首相は「勇気と良識のある選択だ」と歓迎し「今は近隣国の原発で発電した電力を輸入しているが、状況を変えられる」とX(旧ツイッター)で表明。ピケットフラティン環境・エネルギー安全保障相は2033~34年に新たな原発が稼働できる可能性があるとの見通しを示した。

 イタリアは1986年に旧ソ連ウクライナで起きたチョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故を受け、国民投票で脱原発を決めた。しかしメローニ政権は原子力利用を重要な温暖化対策と見なし、ロシアのウクライナ侵攻を機に安定したエネルギー供給源としても再導入を推進する。

 6月に下院が法案を可決した後に実施された世論調査では、57%が再導入に賛成と回答した。