◎今週の一推しトピック
▽「名門レコード店が人と街、音楽をつなぐ」(渋谷区)
R&Bやソウル、ヒップホップなど貴重なアナログ盤がずらりと並ぶ、渋谷・宇田川町の有名レコード店「Face Records 渋谷店」。新旧世代をつないで音楽文化を発信し続け30年、DJやアーティストらの交流の場にもなっている。
店長の猪狩功太郎さんは24歳。商品はお客からの買い付けが基本だ。価値を見極め、値を付ける。現在の在庫約4千枚の中で最高額は、1960年代の日本のロックバンド「ブルース・クリエイション」のアルバム、約150万円。若い世代が買いやすい価格帯もそろえる。海外客にはトロンボーン奏者の鈴木弘さんら和製ジャズのアルバムが、隠れた名盤として人気という。
猪狩さんは中高生時代からレコードの音源に魅了され、美術大では油彩を学んだ。「僕たちZ世代はSNSにあふれる情報に疲れている。ジャケットのぬくもりとアート性に引かれる若者は多い」
創業者の武井進一さん(56)は94年、同じ24歳の時に「Face Records」を立ち上げた。渋谷店は96年から。小西康陽さんら渋谷系音楽の重鎮も常連客となり、ジャズの歴史や音楽文化の知識を得る機会に恵まれた。「自分たちから猪狩の世代へ、音楽や街の歴史をつないでいくことが何より大切。共通点もあって、僕が親しかった早世の日本人ヒップホップ・アーティスト、Nujabesさんの音楽を彼が好きだったりする」
猪狩店長は街の音楽シーンにも敏感に目を注ぎ、最近は3人組のDJ「The Library」などに注目。「誰でもデジタルで音楽を作れる現代は競争がすごい。その中から飛び抜けた存在が出てくる前夜だと思う。新たな渋谷系が生まれる可能性を感じる」と話す。
「宇田川町という音楽の聖地から再びムーブメントを起こすために、イベントなどいろいろな仕掛けをつくっていきたい」と期待を込めた。
○そのほかのお薦めイベント
【15日(土)】
▽「古着バンドTシャツ POP UP MUSIC CLOTHING MARKET 2026」(~23日、渋谷区)
渋谷のロック専門店「ディスクユニオン ROCK in TOKYO」で、古着のバンドTシャツに特化したポップアップを開催。音楽ファンや古着コレクターを中心に注目を集めている。
会場には米国の伝説的バンド「ニルヴァーナ」のロゴなどがプリントされた約200着が並ぶ。希少なビンテージアイテムから近年のツアーTシャツまで、時代を横断したラインアップを紹介。音楽ジャンルもロックやメタル、パンク、ヒップホップ、ポップスなど幅広く、お気に入りのアーティストの掘り出し物を探せそうだ。
【21日(金)】
▽「六本木ヒルズ盆踊り2026」(~23日、港区)
六本木ヒルズアリーナで、街の風物詩として定着した夏のイベントが開催される。今年21回目を迎え、多くの来場者でにぎわいそうだ。
21日の前夜祭では、2006年から上演されているオリジナル芸能演目「楽劇 六本木楽」を披露。総合芸術家で狂言師の野村万之丞(八世万蔵)さんが手がけた現代風の音楽舞劇「大田楽」をアレンジした。日本各地の芸能集団と、ヒルズの住民や会社員、近隣エリアの一般参加者ら総勢約150人がパフォーマンス。ワルツやサンバのリズムも融合させたダイナミックでアップテンポな踊りと音楽を披露する。
本祭となる22~23日の盆踊りは、会場中央に組まれる大きなやぐらの周りに浴衣姿の老若男女が参加。歌手の六本木じろうさんが歌うヒルズオリジナルの盆踊り曲「六本人音頭」に合わせ、踊りの輪を形作る。
六本木けやき坂通りに登場するキッチンカーには、今年初出店となるメキシコ料理「オショモコ」やイタリアン「毛利 サルヴァトーレ クオモ」など6店舗が並び、名店の味を手頃な価格で楽しめる(22日15時半~20時半、23日17時~20時半)。
【25日(火)】
▽「デヴィエーション・ゲーム アーティスト・トーク」(16時、江東区、事前予約制)
青海にある日本科学未来館が、同館常設展示ギャラリー「零壱庵」で公開しているゲーム型プロジェクト「デヴィエーション・ゲーム」に関連し、AI時代の創造力を考えるトークイベントを開催する。
デヴィエーション・ゲームは「人間にだけ伝わり、AIには分からない絵」を描くことに挑戦しながら、AIに模写されにくい表現力を鍛えるゲーム作品だ。
トークイベントには、開発者の一人でアーティスト・ゲーム作家の木原共さんと、高木啓伸副館長が登壇。AIが驚異的な速さで学習データを模倣する中、そこからあえて逸脱(デヴィエート)することで生まれる「人間ならでは」の創造性や、先端技術との向き合い方を討議する。トーク後、参加者の一部はアーティストらとゲームを体験できる。
























