AID当事者支援会の寺山竜生さん(右端)と家族=2024年8月、東京都内
 AID当事者支援会の寺山竜生さん(右端)と家族=2024年8月、東京都内

 「親切な人がたまご(精子)をプレゼントしてくれて本当に良かったよ」。AID当事者支援会代表理事の寺山竜生さん(51)は、第三者の提供精子による人工授精(AID、非配偶者間人工授精)で生まれた2人の娘がいる。不妊治療の一つであるAIDを受ける選択は、自分以外の男性から精子提供を受けるということ。無精子症と判明してから屈辱的な気持ちを鼓舞し、悩んで夫婦で話し合った結論だった。国会では第三者が関わる生殖医療のルールに関する法整備の議論がなかなか進まない。寺山さん夫婦は子どもの成長に触れながら「事実を伝えるだけでなく『大切な家族の1人』と伝えたい」と子どもたちに日常的に“告知”できる環境作りを大事にしている。(共同通信=寺田佳代)