保護時、雨に濡れてひとりぼっちで鳴いていたどんちゃん(画像提供:おぬどんさん)
保護時、雨に濡れてひとりぼっちで鳴いていたどんちゃん(画像提供:おぬどんさん)

雨に濡れながら必死に鳴いていた子猫との出会いが、家族のかけがえのない日常を大きく変えることがあります。Xユーザー・おぬどんさん(@Ic9S6)の愛猫「どん兵衛」くん(男の子)、愛称「どんちゃん」もそのひとり。昨年夏、保護されたどんちゃんが歩み始めた新たな“猫生”とはーー。

■ひとりぼっちで鳴いていた子猫

2024年7月2日、飼い主さんが勤めていた職場のスタッフが、雨の日の駐車場で小さな子猫を保護しました。草むらに隠れながら鳴いていたのが、のちに「どん兵衛」くんと呼ばれることになる子猫です。

「里親を探していると聞き、先住猫のおぬくんが日中ひとりぼっちでさみしいのではないかと心配でした。もう1匹増えてもお世話の手間は大きく変わらないだろうと思い、名乗りを上げたんです」

実は、このとき他の職員の中にも「迎えてもいい」と言ってくれる人がいたそうです。

「もし保護した人が違っていても、必ず救われていたと思います。どんちゃんは人気者だなと感じました」

■先住猫との隔離生活から始まった日々

保護当時、どんちゃんは体も小さく、風邪をひいていてくしゃみや鼻水がひどい状態でした。感染症の検査もすぐにはできなかったため、先住猫のおぬくんとは隔離しての生活がスタートしました。

「寝室に隔離していたのですが、ベッドの上でトイレをしてしまって…。おぬくんは教えなくてもできていたので驚きました。でも、どんちゃんは自分で学習し、慣れると上手にできるようになりました」

サークル越しに初めておぬくんと対面させたときには、意外な反応が。

「おぬくんが威嚇するのを初めて見て衝撃でした。猫には縄張り意識があるのだと感じ、しばらく静観していました。どんちゃんも対抗していましたが、次第に落ち着いていき、1カ月ほどで関係も良くなりました」

時間をかけて距離を縮め、やがて2匹は一緒に暮らす仲間としての関係を築いていきました。

■甘えん坊でおしゃべり、一家のお笑い担当に

1歳を迎えたどんちゃんは、すっかり家族に溶け込み、のびのびと暮らしています。

「最近は、先住のおぬくんがどんちゃんにおやつやおもちゃを譲っているようで、どんちゃんは安心して過ごしています」

性格は甘えん坊でおしゃべり。冬はこたつに入ったママの膝に乗り、そのまま眠ってしまうことも。

「私たちがキッチンに立つと、すぐに駆けつけて鳴いたり、足元に横になったりします。足先に体を乗せてくることも多く、かわいいのですが動けなくなってしまいます」

また、好奇心旺盛で活発な一面も見せます。

「ベランダに出たいとよくアピールするので、トラブルが起こらないように注意深く見守っています」

どんなときも家族に笑顔を届けてくれる、明るい存在となりました。

「うちの子になってくれてありがとう。どんちゃんは我が家のお笑い担当で、毎日たくさん楽しませてもらっています。これからもみんなで笑顔あふれる時間を過ごしていこうね」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)