「ママ!! かーくん、コーヒー持っていく」。普段は人見知りで知らない人に話しかけられない5歳の息子が、突然そう言って缶コーヒーを握りしめました。
数年前、シングルマザーとして息子と暮らしていたAyMchaNさん(@ayuchan3.3)が体験した、心温まる出来事です。隣室の退去作業をしていた見知らぬ男性に、息子が差し出した一本の缶コーヒー。そのお礼として翌日ドアに挟まれていた一枚の手紙が、親子の心を温め続けています。
引っ越しの荷解き中にこの手紙を改めて見つけたことをきっかけにSNSへ投稿したところ、「優しい世界だね」「感動しました」と大きな反響が寄せられました。
■人見知りの息子が取った、突然の行動
その日、AyMchaNさんが仕事から帰宅すると、隣の部屋の退去に伴うハウスクリーニングの作業員が玄関前で作業をしていました。軽く挨拶を交わして部屋に入った直後、当時5歳だった息子さんが突然こう言いました。
「ママ!! かーくん、コーヒー持っていく」
普段の息子さんからは考えられない言葉に驚きつつも、AyMchaNさんは一緒に缶コーヒーを渡しに行きました。作業員の男性は「ありがとう」と笑顔で受け取ってくれたそうです。
■ドアに挟まっていた、一通の手紙
翌日、外出から戻ると、玄関のドアに一枚の紙が挟まっていました。それは、昨日コーヒーを渡した作業員の男性からの手紙でした。そこには、温かい文字でこう綴られていました。
やさしいぼくへ
コーヒーどうもありがとう。
『おそうじがんばってね!』と、言われて、
とってもうれしくて、パワーUPしたよ!
大きくなったら、強くなって
ママを助けてネ
おそうじのオジさんより
AyMchaNさんがこの手紙を読み聞かせると、息子さんは照れくさそうにしながらも、力強くこう宣言しました。
「俺、ママ守るからね」
その言葉を何度も繰り返す息子の姿に、AyMchaNさんの胸は熱くなったといいます。
■かけがえのない宝物
この手紙は、今もAyMchaNさん一家のかけがえのない宝物として、大切に保管されています。
息子さんは現在、高校受験を控える年齢になりました。思春期を迎え、母と子の関係も少しずつ変化していますが、AyMchaNさんの願いはあの日から変わりません。
「今もあの時の気持ちを忘れずに、やさしいぼくでいてほしい」(AyMchaNさん)
見知らぬ男性の優しさと、それに応えた息子の純粋な気持ちが生んだこの小さな交流は、これからもずっと二人の心を温め続けることでしょう。