図書館での自習の可否がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのは教育学の博士でれいわ新選組政策委員を務める西郷南海子さん(@minako_saigo)の
「『なんでスタバで勉強するの?図書館行けば』という投稿を見かけました。
お答えします。
1)京都市の場合、図書館での自習が禁止されている (館内図書の閲覧のみ!)
2)図書館には個々人の電源がない
3)図書館にはwi-fiがない
最近はレンタル自習室もありますが、それを契約するよりもスタバで1杯飲み物を買った方が安いです。 つまり、公共の敗北なのです。
一方、私の愛するニューヨーク公共図書館は、人々のライフラインとしての機能を担っています。
多くの若者にとって(残念ながら)スタバがそうであるように、『そこにいる自分』が素敵だと思える公共空間を作りたいです。」
という投稿。
図書館の利用規約は施設によって大きく異なり、全面的に自習を禁じているところから、逆に自習を推奨しているところまでさまざま。京都市の場合、市立図書館は一律で自習禁止の方針をとっているが、それによって住民、特に経済的に富裕でない層の学習環境は大きく左右されていそうだ。
西郷さんにお話を聞いた。
--公共の図書館で自習できないことの問題点は?
西郷:個室がない、空調がない、家族関係の問題など、自宅に学習環境が整っている子どもたちばかりではないため、誰もが公共の図書館で自習ができることがとても大事です。
京都市の区ごとの図書館は小さく、例えば左京図書館では机が館内図書の閲覧のみ利用可能となっています。
--ニューヨーク公共図書館を理想例として挙げられていました。
西郷:京都大学に在籍していた時、研究でニューヨーク公共図書館を数回利用しました。特に本館は壮大な空間に無数の机が並べてあり、入館証などなくても自由に利用することができました。図書館という空間自体に人々が惹かれるような建築です。
--投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
西郷:今回の投稿は「スタバ」という言葉に引っかかった方が多かったのだと思いました。それには二面あり、一つにはスタバ愛用者からの長居する自習者への反発。もう一つは、全く違う文脈で、スタバのアメリカ本社がイスラエルを支持する立場にあるため、世界的なボイコットの対象となっているということ。
◇ ◇
今回の投稿に対しSNSユーザー達からは
「図書館で勉強ができない!?では京都には他に自習できる公共施設があるのですか?」
「神戸市は『まちなか自習室』市内在住または在学中の中高生が無料で利用できます この取り組みは、神戸市によるアンケートで寄せられた『無料で使える自習スペースがほしい』『友だちと話しながら宿題をしたい』との声を受けてはじまりました。」
「図書館での自習(勉強)が禁止されている・・・ これは図書館の役割りを見直したほうが良いのでは? 市民の生活の中で「知の拠点」としての存在では無いだろうか。 NY公共図書館とは比べるべきも無いけど、海外の留学生は日本の図書館の開館時間の短さに驚いていました。」
といった共感の意見がある一方
「普通に家が静かで一番だと思うけども。 何故、外で勉強しようと思うのか不思議なんだよな~」
「言わんとするところはわからなくもない。が、『図書館=図書館の資料を使って勉強や調べ物をするところ』『スタバ=飲食をしながら家族や友人と語らう場所』という第一義の目的で来る人の利用を圧迫するようなら、制限がかかっても仕方がないよね。」
といった否定的な意見も上がった。図書館での自習可否問題、読者のみなさんはどのように考えるだろうか。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)