国勢調査調査票のサンプル(総務省統計局ホームページから引用)
国勢調査調査票のサンプル(総務省統計局ホームページから引用)

10月1日に実施される国勢調査。

すでに調査票が自宅に届いたという人も多いと思うが、今SNS上ではそんな調査票の生年月日記入欄が大きな注目を集めている。

「残り4人のためにちゃんと明治ある」

とその模様を紹介したのは小久保せまきさん(@semakixxx)。

長寿者の統計サイトLongeviQuestによると、現在存命の明治生まれの人は4人。しかし調査票にはそんな人にも対応できるよう生年月日の記入欄に「明治」を残しているのだ。

小久保さんにお話を聞いた。

ーーどのような思いで投稿されたのでしょうか。

小久保:短文の投稿ですが背景には色々あります。私は鉄道関係の記事を書く仕事をしていまして、その一環として明治期から現代までの鉄道史についても扱ってます。つまり私にとって明治や大正は馴染み深い時代なんです。

また私が幼少の頃まで生きていた曽祖母は明治中期、19世紀の生まれでした。そんな明治生まれが残り4人というニュースを直前に見て「明治が終わるな」と思っていたところに国勢調査をウェブ回答していて、選択肢に明治があるのを発見。「これが(国勢調査として)最後かもしれない」と思って投稿しました。

ーー投稿に大きな反響がありました。

小久保:あまり考えて投稿したわけではないので予想外の反響に驚いてます。多くの方にとって明治は教科書の中の世界でしょうけど、歴史は連続していること、そしていつかは終わりを迎えること、そんなことに思いを馳せていただけたらいいなと思いました。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「これその4人が回答する時の優越感エグいだろうな」
「次の国勢調査でも残ってるといいね」
「『誰一人取り残さない』という強い意志を感じる」

など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。

なお今回の話題を提供してくれた小久保さんは本名の枝久保達也名義で鉄道ライター・都市交通士研究家として活動。2021年に発売した『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(青弓社)は第47回交通図書賞歴史部門を受賞しているので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)