保護翌日の葉月くん(画像提供:さくらさん)
保護翌日の葉月くん(画像提供:さくらさん)

キジトラ猫の「葉月」くん(8歳・男の子)は、Xユーザー・さくらさん(@SakuraShibapagu)の夫に保護されました。生後推定2カ月ほどのころに保護されて以来、家族と共に歩んでいます。

■偶然の出会いと、夫婦そろっての一目惚れ

2017年8月1日、地域の会議準備をしていた飼い主さんの夫の隣に、ちょこんと小さな子猫が座りました。それが葉月くんとの最初の出会いです。

「夫は牛乳と段ボール箱を取りにいったん帰ってきて、『帰りに連れてくるから』と一言。小さな葉月に一目惚れして保護することにしたようです。最初は女の子だと思ったそうです。私自身は、幼少期から犬猫と暮らした経験があり、動物の出産を見届けたこともありました」

「夫は、葉月を家に連れてくると、すぐに出かけて、トイレやケージ、キャリーケース、フードなどを買いそろえました。その間、葉月は待ちきれずに粗相をしてしまいましたが、家にはすぐに慣れてくれました。私も顔を見た瞬間、『絶対お迎えしたい!』という気持ちになりました」

■葉月ちゃんを迎えてからの日々

新しい家に来た葉月くんは、物怖じすることなく過ごし始めました。その順応ぶりは、むしろ「元から飼い猫だったのでは」と思うほど。

「トイレも一度失敗しただけで、次からは完璧でした。とてもスムーズに家に馴染んでくれたんです」

一方で、家族には小さな試練もありました。娘さんは猫好きでありながら猫アレルギーを抱えていたのです。

「どうしたものかと獣医師に相談したところ、『娘の部屋には入れない』『食事は別』『基本的にはケージで過ごす』といったアドバイスをもらいました。その後一緒に暮らすうちに、娘のアレルギーは少しずつ改善。今も月1回通院しながら、注意を払い暮らしています」

■脱走や熱中症を乗り越えて

成長した葉月くんは、窓を自分で開けて外へ出てしまうこともありました。幸い、自分で家に帰ってきたものの、ケガをしていたといいます。

「脱走し、戻ってきたときには片足をひきずっていました。すぐに病院へ連れて行くと、骨折ではなく捻挫。そのうえ血液検査で熱中症だとわかり、点滴治療を受けることになりました」

しかし、葉月くんにとって入院は大きなストレスに…。通院に切り替えてケアを行うことになりました。

「葉月はエアコンが嫌いで、閉め切って涼しくするのが難しいんです。先生も『それが落ち着くのなら仕方ないね』とおっしゃっていました。食欲も落ちていたので、好きなものをあげてと言われ、液状おやつを少しずつ与えて何とか回復。今ではキャットフードも、気が向くと食べてくれるようになりました」

その後は網戸を開けられないように工夫し、少しずつ安心できる環境を整えていきました。

「夏が過ぎ、涼しくなってきたのでようやく落ち着いて暮らせるのではと安心しています」

飼い主さんのXでは、優しい家族に囲まれて、のびのびと暮らす葉月ちゃんの様子が見られます。これからも、心穏やかな日々を過ごしていくことでしょう。

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)