お迎え当初、ひどく怯えてシャーシャーが止まらなかったラテちゃん(画像提供:保護猫ラテちゃん)
お迎え当初、ひどく怯えてシャーシャーが止まらなかったラテちゃん(画像提供:保護猫ラテちゃん)

茶白の女の子猫「ラテ」ちゃん(推定2歳半)。外で苦しい状況に置かれていたところを保護され、Xユーザー・保護猫ラテちゃん(@Cafe__Latte222)のもとで暮らすことになりました。

■健康状態の悪さと警戒心 それでも迎え入れる決意

ラテちゃんとの出会いは2023年初め。知人から「子猫を保護して引き取り先を探している」と声をかけられたのがきっかけでした。

「当時は推定3カ月ほどで、もともと姉妹で保護されましたが、1匹は行き先が決まり、ラテだけが残っていました。外でトリモチにくっついて動けなかったと聞きました。冬の時期を外で過ごしていたため、猫風邪や猫カビ、しっぽの壊死など体調はかなり悪く、警戒心も強い子でした」

夫婦は話し合いの末にラテちゃんを迎え入れることを決めたといいます。

「もともと猫を迎えたい気持ちがありましたし、保護猫を幸せにしたい思いが強かったんです」

■初日から威嚇続き 猫カビとの闘いも

新しい環境に置かれたラテちゃんは、不安と恐れから強い警戒心を見せました。

「初日は近づくだけでシャー!と威嚇して、ごはんも口にせず、縮こまって震えていました。ケージにブランケットをかけると安心するのか、少し落ち着いてくれました」

冬の寒さ対策にヒートパネルを用意。ラテちゃんのために、少しずつ安心できる環境を整えていきました。

「2日目からはモリモリ食べてくれて安心しましたが、くしゃみも出て体調が完全ではなかったので病院へ。しっぽの壊死した部分を手術で切除し、風邪は薬で良くなりました。ただ猫カビはしつこく、毛が抜けたり広がってしまいました」

猫カビは人にも感染し、飼い主さん夫婦も皮膚科にかかりながら根気よく治療。幸い、少しずつ症状はおさまっていきました。

「エリザベスカラーをつけたり、カーペットや寝具を破棄したり、薬用シャンプーや塗り薬を使ったりと試行錯誤の日々。数カ月かかりましたが、免疫も上がり、治療とケアのおかげで完治しました」

■猫中心の暮らしが楽しい日常に

大変な時期を経て、今、夫婦の暮らしはラテちゃんを中心に回っています。

「どこにでも登るので棚を整頓したり、おもちゃを買ったり、室温を気にしたり…ラテのことを考える日々がとても楽しいです」

成長にともない、ラテちゃんのキャラクターもだんだんと明らかに。臆病な一面を持ちながら、家では元気いっぱいに過ごしているといいます。

「インターホンが鳴ったり人の気配があったりすると、部屋の奥に隠れてしまいます。神経質なため、避妊手術で入院したときはごはんを口にしなかったと聞きました。でも家では走り回っておしゃべりしたり、たまに私にやんのかステップで威嚇してきたり(笑)、強気なところもあります」

小さな体で体調不良や不安を抱えながら頑張ってきたラテちゃん。今では安心して甘えられる存在になりました。

「体調も悪く、慣れない環境で本当によく頑張ってくれたと思います。今は一緒に寝てくれたり、擦り寄ってくれたり、毎日が幸せ。ラテに出会えて本当に良かったです。『いつもありがとう。これからもよろしくね』と伝えたいです」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)