保護後、警戒心MAXだったおはぎちゃん(画像提供:黒猫おはぎ 林遊眠@劇団ショウダウンさん)
保護後、警戒心MAXだったおはぎちゃん(画像提供:黒猫おはぎ 林遊眠@劇団ショウダウンさん)

黒猫の「おはぎ」ちゃん(女の子)は、飼い主のXユーザー・黒猫おはぎ 林遊眠@劇団ショウダウンさん(@rinyuumin)のもとにやってきました。きっかけは、演劇仲間がSNSで呼びかけた「保護猫の飼い主募集」でした。

「私の演劇仲間である小野愛寿香さんが、Xで保護猫ちゃんの飼い主を募集されていたのを見たのがきっかけです。当時、我が家には先住猫のはなこくんがいたのですが、彼にお友達が必要かなと話し合っていた時にちょうど投稿が目に留まりました」

迎えに行ったのは、生後3カ月のころ。繁華街のレストランの店主が、狭い場所から必死に救い出したという子猫は、保護主さんの手厚いお世話を受けていました。

「保護主さんから避妊手術やワクチンがまだ終わってないと聞き、『私のほうで責任を持ってします』と伝え、翌日、迎えに行きました。行きの電車の中で名前をいろいろ考え、“おはぎちゃん”に決めました。抱っこさせてもらうとブルブル震えていて、とても怖がり屋なんだなと思いました」

■先住猫の優しさにふれてーー新たな猫生の一歩

新しい家にやって来たばかりのおはぎちゃんは、突然の環境の変化に戸惑い、じっと固まっていました。けれど、ひとりになると少しずつ子猫らしい姿をのぞかせたといいます。

「人間に対しての警戒心が強く、部屋に人がいると猫バッグから出ようとしなかったんです。でも、扉を閉めた途端にバッグから出て探検をはじめてーー実は好奇心旺盛でマイペース女子なんだとわかりました(笑)」

先住猫のはなこくんは、小さなおはぎちゃんにとって頼れる存在であり、まるで優しいお兄ちゃんのようでした。その温もりに触れるうちに、おはぎちゃんの緊張も和らぎ、少しずつ家での暮らしに溶け込んでいったのです。

「トイレやおもちゃも、はなこくんが教えるとすぐに覚えて、とても賢い子でした。自分より何倍も大きいはなこくんに全力でいたずらしたり甘えたり…。迎えたばかりは心配しましたが、天真爛漫で冒険好きな子だとわかって安心しました」

■それぞれの幸せーー新たな家族とともに

おはぎちゃんは5歳を迎えました。小さく怯えていた子猫は、今や飼い主さんにとってなくてはならない、しっかり者のパートナーになったといいます。

「おはぎちゃんは、まさに自立した女子という感じ。私とは女友達のような関係です。毎朝4時に起こされ、スマホばかり見ていると文句も言われます(笑)」

そうして、飼い主さん家族の暮らしに新しい風が吹き始めました。生活にも少し変化があり、先住猫のはなこくんは、よく慣れた新しいおうちで穏やかに過ごすことに。おはぎちゃんには、同じく黒猫の弟ができ、ともに暮らすようになりました。

「しばらくのあいだ、おはぎはひとりっ子になり、お姫様のようにのびのび過ごしていましたが、昨年、黒猫の男の子・ぼたもちくんが家族に加わりました。すると、おはぎちゃんはお姉ちゃんのように、かいがいしくお世話をするようになったんです」

おはぎちゃんとぼたもちくんは、まるで本当のきょうだいのように仲良く暮らしています。ただ、来客があると性格は一変。クローゼットに隠れて出てこなくなってしまうのだとか。

「知人からは『姿を見ることができたら幸せになれる幻の猫さん』と言われています(笑)。そんなところもかわいらしいですね。おはぎちゃんには、『うちに来てくれてありがとう。生まれてきてくれてありがとう。おはぎちゃんのお母さん、おはぎちゃんを産んでくれてありがとう。いつもウザ絡みしてごめんね。抱っこ我慢してくれててありがとう。して欲しいことがあったら教えてね。これからも元気で楽しくいきていこうね』と伝えたいです」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)